第101回箱根駅伝　MVPを受賞した青学大・野村昭夢＝2025年1月3日（代表撮影）

＜第101回箱根駅伝＞◇3日◇復路◇東京－箱根（5区間109・6キロ） 　青学大が山区間を“完全制覇”した。6区野村昭夢（4年）が56分47秒の区間新記録をマーク。前日2日に区間新を更新した若林宏樹（4年）に続き、山下りでも強さを見せた。 【写真】最優秀選手賞・金栗四三杯を受け取る青学大・野村昭夢 　18キロ地点で、原監督から声が飛んだ。「いけるよ、大記録だよ。56分台だ。すごい記録が出るよ」。背中を押され、前に出た。20年に舘澤享次（東海大）が記録した57分17秒を30秒上回り、初の56分台に到達した。監督から選出される金栗四三杯に加え、今回新設された大会MVPも受賞。総合優勝に最も貢献した選手と認められ「正直、ダブルで受賞できるとは思っていなかった」と驚いた。 　2年連続の山下り。「呼吸よりも体にダメージが出る感覚」と勝手は知っていた。昨季は58分14秒だったが、今季は「あわよくば出したい」と大幅に更新する「56分台」に目標を据えた。レース前には、自身のインスタグラムで地点ごとの目標タイムを公表。1つ目の芦之湯は6秒オーバーしたが、観客から遅れを指摘する声も受けたが修正。以降は全地点でクリア。目標を達成した。「左足の裏に水ぶくれができて本当につらかった」。その痛みも、優勝で吹き飛んだ。「成果が実ってよかった」。明るく笑った。【飯岡大暉】