「推しに褒められ、寿命が鶴ほど延びた」 清少納言は〝オタクの元祖〟 枕草子につづられたこと
「自分のためのおしゃれ」を書いた人
水野:ほんとにそうですね。何かを笑い飛ばす観察眼もあったんだなぁ、と思います。三つ目はどうでしょう。 たらればさん:27段の、「心ときめきするもの」です。上巻からも入れてみました。 「雀のひなを飼う、幼児を遊ばせているときに前を通る、上等な焚き物をたいてひとりで寝っ転がっているとき、ちょっと曇っていたとしても上等の鏡をのぞき込んだとき……」。 そのうえで、これが世界で最初かどうか分かりませんけど、ここで清少納言は「お化粧やおしゃれ、清潔にしていることは、異性のためじゃなくて自分のためだよ」という趣旨の文章を書いています。 「頭を洗って、かぐわしい着物を着ているとき、見ている人がいなくても、誰に見せるわけでもなくても、心はとても好ましくなる」と。 水野:自分のためのおしゃれ~! すごく共感します! たらればさん:「別に化粧や香水は、おまえらのためじゃねえよ」、「自分の気分を上げるためにやってんだよ」と、そういうことをハッキリ言うところが、清少納言の本領発揮。彼女が自立している女性というところがたくさん出てくるんです。 水野:清少納言のイメージが、今年に入ってどんどん変わっています…! たらればさん:ぜひ改めて、枕草子を手にとってみていただきたいですね。 ◆これまでのたらればさんの「光る君へ」スペース採録記事は、こちら(https://withnews.jp/articles/keyword/10926)から。次回のたらればさんとのスペースは、7月7日21時~に開催します。