小池都知事が定例会見9月3日(全文2完)武器を2つ整えた点は評価すべき
楽観的な認識をしていたようにも思えるが
朝日新聞:朝日新聞の釆澤です。よろしくお願いいたします。コロナに関して、今回のいわゆる第5波に対する対応のことについて伺いたいと思います。今回、今出ている緊急事態宣言が発出された7月上旬の時点では、知事は1回目のワクチンの接種率が8月下旬には8割に届くというふうに説明をしていらっしゃって、それはそのとおりになっているんですけれども、それまでの間が勝負どころであると。で、宣言期間内になんとしても感染拡大を食い止める、ほの明かりが見えてきているというようなことをおっしゃっていました。今の感染、あとは病床の状況を見たときに、から考えると、当時、東京都の認識というか、考えというのは少し甘くて、楽観的な認識をしていたようにも思えるんですが、知事として反省すべき点などあればお考えをお聞かせ願えませんでしょうか。 小池:コロナ株、特にデルタ、またさらに次に新しいのが控えているというような情報もありますけれども、いろいろな形でそれぞれやってきたというふうに思います。そして、ただ、そうはいってもワクチン、そしてこの抗体カクテルの投与ということがポイントになり、今の特措法内でできることというのをやってきているわけであります。それ以上のことをやる場合には、行うというときには、訴訟の嵐になるとか、そういった話で、ぎりぎりのところでみんないろいろ工夫もしてきたということであります。
ここまでの広がりは想像できなかったか
それからその工夫の一環としても、先ほどもスピード化ということで、この工夫も重ねてきたということもあります。それぞれ工夫や、ほかの例を参考にしながら、逆に今回、いろんな方々に、オリンピック・パラリンピックなどの機会に他国のリーダーともお話しする機会がありましたけれど、日本がうらやましいと。マスクについて、みんなこんなにきちんとやってくれるのは、わが国では考えられないというような話を聞いたり、日本の例も参考にされたりしてるということは、あまり内向きだけの情報だけでなく、外の情報などもいろいろ参考にしていく必要もあるかというふうに思っております。 一方で非常に、感染者が大幅に増えたことによって、いろんなキャパを超えている部分が実際あります。それだけに効率良く進めていかなければなりませんし、今回、酸素・医療提供ステーションという形で各地に設けるようにいたしておりますが、これも、よりスピードアップをしていくことも必要だということを痛感しております。 朝日新聞:今回の宣言始まった時点では、なかなかここまでの広がりはやっぱり知事でも想像、予想はできませんでしたでしょうか。 小池:いや、やはり危機管理というのを大きく捉えるということでありますけれども、このデルタ株の脅威というのは、それも超えるような勢いのあったことは事実だと思います。 朝日新聞:先月下旬には福祉保健局長が会見をしまして、感染の中身が変わってきて、突然飛び跳ねるようなことはないと、ベッドも1月ほど切迫していない、知事もそういう認識であるというふうにおっしゃっていたんですが、こうした楽観的な見通しが、都が今まさに取り組んでいる病床を増やす施策の着手を遅らせた、そういうようなふうにも思えるんですが、知事としてのお考えはいかがですか。 小池:いえ、そのころからも専門家の皆さま方からいろいろご意見いただいて、それを参考にしながら着実に進めてきたところであります。ただ、例えば人の確保というのは、今回、感染症法を引っ張り出してきて、そしてお願いをするという状況でございますし、そもそも世界で最大の病床を抱えている一方で、なかなか人の確保も難しいということは、今まさに国難の最中で、どこまで何ができるのか、法律にもよりますし、そういったことを、あらためてこれをしっかりと見直す、そのようなことが必要になってくるんじゃないかと。