娘は大学で「学芸員資格」の取得を目指しています。「将来は学芸員として働きたい」と言っていますが、親としては「仕事内容」や「収入面」が気になります…。
美術館や博物館で働くイメージがある学芸員は、文化や歴史に関心のある方にとって魅力的な職業です。もっとも、実際の仕事内容や収入、雇用環境について詳しく知らない方は多いでしょう。本記事では、学芸員の年齢別平均年収や雇用状況、資格取得のメリットなどを紹介します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
学芸員の年齢別平均年収
厚生労働省が提供している職業情報提供サイト「jobtag」の情報をもとに、学芸員の年齢別平均年収を表1にまとめました。 表1
※厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「学芸員」を基に筆者作成 学芸員の平均年収は比較的安定しており、20代前半では約324万円ですが、20代後半になると約435万円まで増加します。さらに年齢を重ねてキャリアを積むことで、30代から年収が急激に伸び始め、40代前半では平均年収が600万円を超える傾向があることが分かりました。 ■非正規職員が増えている点に注意が必要 現在、多くの美術館や博物館では、運営コストの削減を目的に非正規職員や契約期間が限定された職員の採用が増加しているようです。非正規職員の増加理由の一つとして、公共施設の運営を民間企業やNPOに委託する指定管理者制度の導入が挙げられます。 指定管理者制度では、運営を委託された団体が採用する職員の多くが非正規雇用となるため、安定した雇用環境を求める人には課題となることが少なくありません。結果として、給与が低い、または収入が安定しないという問題に直面することもあるため、美術館や博物館で働く際には雇用形態や待遇を十分に確認する必要があります。 ■学芸員は就職先が少なく募集の頻度も低い 結論からいうと、美術館や博物館の数は限られているうえに、採用枠が少ないことから、学芸員の就職は大変競争が激しいのが現状だといわれています。 学芸員を目指す場合は、給与や待遇面を事前にしっかり確認するとともに、採用条件や応募頻度の低さを考慮して長期的なキャリアプランを立てることが大切です。