マスク氏が開発に注力 脳にチップ“考えるだけでPC操作” 体動かなくても…初の被験者「大きな希望」
日テレNEWS NNN
アメリカ・トランプ次期大統領のもとで影響力を増すイーロン・マスク氏。今、手がけているのが「脳インプラント」の技術開発です。人間の脳にチップを埋め込み、“考えるだけ”でパソコンの操作が可能になるというのです。 ◇ 私たちが向かったのは、アメリカ西部アリゾナ州。 「はじめまして。私はノーランドです。よろしくお願いします」
ノーランド・アーバウさん、30歳。8年前、湖で水難事故にあい、脊髄を損傷。首から下を動かすことができなくなり、家族の助けをかりながら生活しています。 今年、アーバウさんの日常生活に大きな変化が…。 人間の脳にチップを埋め込み、利用者が“考えるだけ”でスマートフォンやパソコンなどを操作できる技術の臨床試験で、初の被験者に選ばれたのです。 手がけているのは、トランプ次期大統領のもとで影響力を増す、実業家のイーロン・マスク氏です。電気自動車大手「テスラ」や、宇宙企業「スペースX」などのCEOを務め、医療分野でも、今注目の「脳インプラント」を開発するベンチャー企業「ニューラリンク」を率いています。
実業家 イーロン・マスク氏 「現実として、ほとんど全ての人は、時間の経過とともに脳や脊椎に問題を抱える。しかし重要なのは、埋め込み型のデバイスが、これらの問題を実際に解決できるということだ」 ニューラリンクは、規制当局の承認を得て、今年1月、臨床試験を開始。アーバウさんが、初の被験者に選ばれました。今年1月、脳にチップを埋め込む手術を受けたアーバウさん。マスク氏も病院に駆けつけました。 手術直後、埋め込まれたチップが脳の「信号」を検知することに成功。 アーバウさん 「信じられないような感覚で、本当に本当に素晴らしい瞬間でした」 術後の経過は順調で、“考えるだけ”でパソコンのカーソルを操作できるようになったといいます。 アーバウさん 「カーソルを動かしたいと思えば動き、とまってほしいと思ったらとまる。それほど複雑ではありません。とてもわかりやすい」