生活保護を受けたい本人が「入院」や「認知症」などで申請ができない場合、ほかの人が代理申請できますか?
経済的な理由で生活に困っている際、利用できる制度が生活保護です。生活保護の受給が認められると、最低生活費に足りない分のお金を支給してもらえます。 しかし、生活保護を受けたい本人が認知症や入院中の場合、自力で申請できないケースもあるでしょう。もし、本人が申請できない場合は、扶養義務者や親族などによる代理申請も可能です。 今回は、生活保護の申請条件や代理申請できる人の範囲、また申請方法などについてご紹介します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
生活保護を申請する条件
生活保護制度は、経済的な理由で生活が苦しくなっている方に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、生活をサポートするための制度です。生活保護を受けるためには、収入が定められた最低生活費を下回っている必要があります。 収入とみなされるお金は、給料のほかに年金や各手当、家族から支援してもらっている仕送りも対象です。生活保護は申請しないと利用できません。日常生活に支障が出ているような方は、自治体の窓口へ相談してみましょう。 ◆本人以外でも申請できる? 生活保護の申請は、本人以外でも条件に当てはまっていれば代理で申請ができます。生活保護法第7条で「保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする」と定められているためです。 要保護者とは、生活保護を必要としている本人をいいます。また、民法で定められている扶養義務者と親族の定義は以下の通りです。 ・扶養義務者:夫婦・直系血族・兄弟姉妹、特別な事情があるときは三親等内の親族 ・親族:六親等以内の血族・配偶者・三親等以内の姻族 例えば、本人がけがや病気で申請に直接行けない場合は、パートナーや子どもなどによる代理申請ができます。さらに、生活保護法7条では「要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる」とされています。 例として、京田辺市は急迫保護について、「生死にかかわるような緊急性の高い状態であると福祉事務所が認める場合には、状況が落ち着いてから活用を行うことを条件に保護の開始を優先することもあります」と述べています。