親子ともに「幸せな中学受験」にする3つの魔法 受験の結果に影響する「親子関係」よくするには
朝型に変えて生活リズムを整えると学力も上がる!?
私がお伝えしたいウェルビーイングな中学受験にするためのキーワードは、次の3つです。 1. 生活リズム 2. 親子関係 3. 学校選び ウェルビーイングとは、「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にもすべてが満たされた状態にあること」と言いましたが、中でも肉体と精神はお互いに関係しあっていて、体が元気なら心も元気、気力が充実すれば実力もより発揮しやすくなります。そして、体と心が元気であるために、欠かせないのが、生活リズムを整えることです。 しかし、日本の子どもたちは、西洋諸国に比べて睡眠時間が短く、受験生はさらに睡眠時間を削って勉強しているはず。塾から21時過ぎに帰ってきて、寝るのは23時過ぎ。朝はギリギリまで寝ている。そんな家庭は多いのではないでしょうか? 塾通いが始まって、それが当たり前になってしまっているかもしれませんが、実は脳の健全な育ちには、生活リズムと質の良い睡眠が欠かせません。 健全な生活リズムになっているかどうかは、朝のお子さんの様子でわかります。お子さんは、毎朝、機嫌よく自分から起きてきますか? そして、しっかり朝ごはんを食べられますか? もし、「朝なかなか起きられない」「起きてもぼーっとしている」「食欲がなくて、朝ごはんが食べられない」そんな状態だったら、まず生活リズムを見直したほうがいいでしょう。 睡眠は情報を整理して記憶を定着させる働きがあるので、十分な睡眠を取らないと、学習にも悪影響を及ぼします。さらに、幸せホルモンと言われるセロトニンが十分に分泌されず、ちょっとしたことで不安になるなど、精神のバランスを崩してしまいます。本番で実力を発揮するためにもメンタルを整えることが大切です。 こういうお話をすると、「早く寝たほうがいいことはわかるけれど、塾に通っていたら無理!」「本番直前なのに勉強が間に合わない……」とおっしゃる方がいます。 でも、入試も朝から行われますし、脳は起きてから2時間後くらいに活性化するので、試験の時間に最も脳が動くように朝型に変えることをお勧めしています。 実際、私の周りには、朝型に変えて受験もうまくいった家庭がいくつもあります。夜の1時間より朝の30分のほうが、ずっと勉強ははかどります。集中度が違うからです。からだの調子もよいので、しっかりと朝ごはんを食べられるから活力があり、気力も充実します。結果的に遅くまで起きている子より勉強も進み、第一志望の難関校に合格しました。 そのお子さんたちも、進学塾に通っていましたが、授業が終わったら居残りはせず、すぐに帰り、帰宅後は勉強せずに10時前には寝ていました。代わりに、朝は6時前に起きて、学校に行く前に宿題や塾の勉強をしていました(時間が余れば好きなことをして過ごす時間です)。そんな生活を続けていると、夜は眠くなって起きていられないのです。 塾から帰ってきて、息抜きに動画を見ているというご家庭も多いのですが、寝る前に強い光を浴びると、なかなか寝付けなくなり、睡眠の質も落ちるので、動画やゲームなどのお楽しみも朝にしたほうがいいでしょう。 今の子どもたちは、幼い時から、勉強や習いごとで忙しく、夜更かしになっていたり、体を動かしてなかったり、生活リズムが崩れた結果、落ち着きがないとか、パニックを起こすなど問題行動が出ているケースは多いのです。 もしかしたら、皆さんの中にも、受験勉強がハードになった5・6年生になって、お子さんに異変が出てきている人がいるかもしれませんが、このまま突っ走ると、たとえ志望校に合格できても、後から問題が生じかねません。 もちろん、直近の受験を乗り越えるためにも、体力と気力が必要です。生活リズムが定着するには、1週間くらいかかるので、受験本番前の今こそ、早起きから始めて、生活リズムを見直してみてください。