熊手、福も富もかき集めて 並ぶ露店から威勢の良い掛け声と三本締めの柏手の音 彩時記~11月・霜月
さて、昔から「三の酉まである年は火事が多い」といわれる。空気が乾燥する時期、「家内安全」に「火の用心」もお忘れなく。(榊聡美)
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各地で紅葉が見頃を迎える季節。「やはりこの時期が一番売れ行きがいいんですよ」。日本三景の一つ、安芸の宮島に本店を構える、もみじまんじゅうの老舗「藤い屋」(広島県廿日市(はつかいち)市)の広報担当者はこう話す。
同店のもみじまんじゅうは、秋季限定の「栗きんとん」を合わせて全6種類(1個140~210円)。中でも、1世紀近いロングセラーを誇る「こしあん」が1番人気とか。北海道産の小豆を使用し、皮をむいてから炊いて上品な甘みと滑らかな舌触りを生み出す。
本店では焼きたてが味わえる。カステラの表面がカリッと香ばしく、中のあんはホクホク。ひと味違ったおいしさが国内外の観光客を引きつける。
「家庭でもオーブントースターなどで軽く温めるとカステラの香りが立ち、できたてのような味が楽しめますよ」