「生理はなるべく止めたほうがいい」産婦人科医が語る、男も知らなきゃマズイ「生理」の基礎知識
髙橋 生理痛は、血液を子宮の外へ押し出す際、子宮の周囲の筋肉が収縮することによって生じる痛みです。 ――生理の前はホルモンのバランスが崩れて、イライラしたりするというイメージがあるんですけど、これは合っていますか? 髙橋 実はそれには少し勘違いがあって、正確には「ホルモンバランスが崩れるから」ではなく「ホルモンバランスが整っているから」そうした生理前の症状が起きるんです。 イライラしたり、落ち込んだり、むくんだり、食欲が出たり。そういうのをPMS(月経前症候群)っていうんですけど、PMSは排卵してから生理が来るまでの間に、分泌されるホルモンの量が急激に変化することで起きるんです。 ホルモンバランスが崩れている人は逆にホルモンが正常に働かないので、比較的PMSが軽かったりします。PMSの程度はその人の体質やメンタル、あと普段の生活でどのくらいストレスを受けているのかも影響します。 ――なるほど。ちなみに、男性にも月に1度調子を崩す「男の生理」があるって聞いたことがありますが......? 髙橋 ないですね!(きっぱり)。まず、1ヵ月周期で変動するようなホルモンはないです。 ――で、でもどうにも調子が出ないときがあるんです! 髙橋 男性の場合は気圧や天気などの影響だと思われます。それは女性にも影響するものですから、男性の生理とはいえません。 例えば、必ず月1でそういう週があるという場合も、気が重い月例会議があるとか、給料日前とか、そういうストレスの影響も大きいと思います。 ■戦前に比べて生理は9倍増! ――CMとかを見ていると、生理痛は痛み止めを飲まないとキツいイメージがあります。 髙橋 痛みがひどい際には痛み止めは躊躇(ちゅうちょ)せず飲んでもらいたいのですが、毎回痛み止めが必要な場合は、そもそも重症な月経困難症なので検査や治療を検討したほうがいいです。 月経困難症は月経に随伴して起こる腹部や腰の痛み、嘔吐(おうと)、下痢、憂鬱(ゆううつ)な気分などのこと。痛みや経血の量はほかの人と比べることが難しいので、異常さに気づきづらいんです。 ――なるほど。 髙橋 また、生理についてぜひ知っておいてほしいのは、生理は繰り返せば繰り返すほど子宮内膜症という病気のリスクが高まること。そのため、実は妊娠を希望していない間は生理を止めておいたほうがいいんです。生理を繰り返すメリットは一切ありませんから。 ――生理を止める?