NewJeansとのタイアップ企画に爆発的反響の渋谷109 SNS発信力が強いブランドが好調(2024年上半期)
WWD:特に効果的だった取り組みは?
丸山:館の45周年を記念して4月28日にスタートしたNewJeansとのタイアップが爆発的にヒット。アパレルを売った1階「リミテッドポップアップブリッジドット(以下、ブリッジ)」とグッズを売った地下1階「DISP!!!」にドーム公演に向けたアイテムを求めるファンが行列を作り、爆発的に売れた。ラブジーンズ企画を立ち上げてY2Kを意識したデニムコーデを館内で訴求する企画を提案したところ、40近くの店舗が手を挙げてくれて良い反響があった。若者の間でトップファッションアイコンの彼女たちと取り組めたことは、ブランディング効果も絶大だった。館の開業記念日ということで他にもさまざまな施策を打ったこともあり、その日の来館者数が4万2000人で、今年1番の集客になった。
WWD:コスメは?
丸山:1階の「ドレステーブル バイ シンクス ビューティー パレット」が「シャネル(CHANEL)」を導入したところ、売り上げが急上昇。「ディオール(DIOR)」と「シャネル」がそろうセミセルフ店舗は少ない。
WWD:ポップアップスペース「ブリッジ」の手応えは?
丸山:3月のオープンから続けて13ブランドのポップアップを開催し、概ね好評だ。館のファッション感度を高める狙いではあるが、売り上げも好調。ファンをしっかりつかんでいるD2Cブランドは、リアル店舗にもちゃんと来店してくれる。4月に開催した「ビーデン(BEEDEN)」は特に良かった。内装や什器がそろい、ウインドーも活用できて路面店感覚でオープンできることに加え、立地が館内で一番良いことはブランド側にとってのメリットも大きいだろう。コスメの「アニヴェン」もよく売れた。短期集中で売りたいという声とリピートの要望もすでに届いており、11月まで出店スケジュールは埋まっている。
WWD:訪日客売り上げについては?
丸山:全館売上高の免税額比率は16%に上がり、免税対応店舗は54店舗になった。特に大盛況だったのが6月。前年同期比2倍の2億円を売り上げた。アニメ「ウィンドブレイカー」のポップアップ効果が大きく、中国人バイヤーの行列が絶えなかった。施策では主に台湾や韓国に向けた販促キャンペーンをSNSに絞って打ち出している。メタ社と組んで、海外への発信力が高い日本人インフルエンサーと一緒に館内体験動画を2回配信した。今後は、秋にお土産企画を計画。「OMIYAGE」というワードは海外で浸透しており、おすすめ商品を集めて9月にカタログとSNS配信を展開する。