夏土用の頃は「暑くて暑くて寝苦しい」、その不眠を食べて解消する「意外すぎる食材」とは?【田野岡メソッド・二十四節気のかんたん養生】
冷房とはどう付き合えばいいですか?
中医学はなんでも陽と陰に分けるので、暑さも“陽暑”と“陰暑”に分けたりします。陽暑は文字通り「熱の暑さ」。陰暑は夏の暑さの中の寒さのことで、「夏ならではの冷えで身体の具合が悪い」「冷たさを求めて身体の具合が悪くなる」のようなことを指します。中医学の歴史は長いのですが、昔の状況でも「暑さを我慢できずに家の外で上半身裸で寝ていたら身体が冷えてしまった」ということも症例に挙がっているそうです。 現代の日本だと、冷房やかき氷で身体を冷やす…ということが挙がるでしょうか。最近の日本の夏は熱帯かと思うような気温になりますので、冷房は適度に使用することをおすすめします。ただ、寝ている間にずっと風に当たっている状態だと、起きた時に“しびれ”になることもありますので、タイマー機能を活用するなどの調整をしていただけると身体も喜ぶと思います。 身体の熱を“冷ます”ではなく“鎮める”という中医学独特の考え方があります。貝殻の成分を摂りこむことがこの作用を身体に入れることとなりますので、あさり、しじみなどの貝のお味噌汁は最適です。子どもの疳の虫もお味噌汁で落ち着くくらい、鎮める働きが期待できます。 夏の疲れは秋に残さないように、心の負担を軽減して不眠を回避しましょう。体にエネルギーを蓄え、眠ることができるように工夫してください。 次回は大暑です。
再春館製薬所 田野岡亮太