ハイブリッド車向け開発、マツダが新型エンジンで目指すモノ
マツダはハイブリッド車(HV)向けの新型エンジンを開発する。主力スポーツ多目的車(SUV)「CX―5」次期モデルに搭載する独自のハイブリッドシステムを見据え、2025年にも実用化する。一方でレシプロエンジンは4種類程度に絞り、1機種当たりの生産規模を確保する。電動デバイスの活用を前提とした機種の開発や現行機種の集約を通じて、各種環境規制が厳しさを増す電動化への移行期間に、内燃機関の開発・生産体制を維持する。 【写真】マツダの排気量3300ccの直列6気筒ディーゼルエンジン マツダはこれまで内燃機関単体での熱効率改善を追求してきた。独自のハイブリッドシステムでは、回生エネルギーをフル活用する。HV向けの新型エンジンは内燃機関が、改善を不得意としてきた低温始動時や加速時を電動デバイスに補わせることで、より合理的にシステム全体としてエネルギー効率改善や排ガス抑制を図る。「モーター、電動デバイスを補機とした使い方の、マツダの答えはこうですよというエンジン」(広瀬一郎最高技術責任者〈CTO〉)を目指す。 一方、各国・地域の環境規制が強まり、それぞれへの適合が必要になる中で、内燃機関の開発・生産を継続するには、体制の見直しも欠かせない。上級中大型SUVの「ラージ商品群」向けで開発した直列6気筒エンジンから派生するディーゼルエンジンとガソリンエンジン、電動デバイスと組み合わせるプラグインハイブリッド車(PHV)向けと新たに開発するHV向けの4種類を核に、展開していく見通しだ。 機種を絞ることで、限られた人員でのエンジン開発や制御面での規制適合に対応する。また1機種当たりの生産規模を確保することで、部品サプライヤーの事業継続に配慮したい考え。電動化への移行期間に、内燃機関を継続するには、サプライヤーの理解と協力を得ることが前提であるとし、生産計画の履行に力を尽くしていく。