お初天神の路地裏に8,800円20品という驚愕のコスパを誇る寿司コースがあった!
さらに凄いのは「お客さんを見ながら、料理の順序、ボリューム、さらには調理法までも変えて提供します」。おなかが空いているようなら握りから始めることもあるし、お酒をゆっくり楽しんでいる人にはアテを連打。前に同じ料理を出したお客さんには違う食材でアレンジしたり。言うなれば即興ってことです。
猫田さん「辻さん、お一人でカウンターを切り盛りしているのに、恐るべき采配能力。「コース一斉スタート制」でもないのに、時間差だけではなく個人差まで計算しつつ料理を作るなんて、頭良くないと無理!」
毎日変わるコースの一例をご紹介。どの料理もお酒が進む!
なので今回ご紹介する料理も、あくまでも一例ということで。全く同じものが出るかもしれないし出ないかもしれません(笑)。一応その日のコース内容は決まっているので基本的には同じ料理が提供されますが、隣の人と順序が全然違うってこともあります。もちろん、「握りは最後でええよ」「しばらくアテで」といった要望にも応じてくれます。
アジは、回遊せずに瀬に居付いている山口県名産の「瀬付き」。動かずにエサをたっぷり食べているメタボで(言い方!)、脂がのりにのっています。
磯辺巻きも、イワシやサバなど違う魚を巻くこともあるそう。ガリの甘酸っぱさが脂気を中和し、最後に海苔の香りがふんわり。
白子の概念を変える、クセのないクリーミーな岩手産の白子ポン酢
冬にかけて白子を食べる機会が増えますが、実は私は白子がそんなに得意ではありません。独特な香りがすることもあるし、むにょっとした食感がちょっと……。
と思っていましたら、なんじゃこりゃ! 臭みもないし変なむにょむにょ感もない。クリーミーかつ濃厚な甘みで、弾力があるホイップクリームを食べている感覚です。パンに付けたいぐらい。
「岩手産の白子を見つけたんですよ。これめっちゃ旨いなあと思って。下処理にも時間をかけているので、白子が苦手な方もおいしいって言ってくださいます」。そうでしょうとも。私の白子観も変わりましたよ。