インプラントと入れ歯の“併用”で噛み心地を改善できる!? メリット・デメリットを歯科医が解説!
インプラントを併用した入れ歯(インプラントオーバーデンチャー)の治療の流れと治療後のフォローアップについて
編集部: インプラントを併用した入れ歯の治療や作製の流れを簡単に教えてください。 水野先生: まずは問診(カウンセリング)で、今お使いの入れ歯の不満や治療のご要望などを詳しくお聞きします。次に、レントゲン検査やCT撮影などを実施し、インプラントを入れる位置や入れ歯の形態などを含めた治療計画を立案します。その後、インプラントをあごの骨に埋め込み、入れ歯を固定するアバットメントという部品を取り付けます。インプラントが骨の中でしっかり結合したのを確認した後、入れ歯の作製と装着をおこないます。 編集部: 治療後、どのぐらいで噛めるようになるのでしょうか? 水野先生: 骨の質と量が十分であれば、インプラントを入れた翌日から新しい入れ歯で噛めるようになります。ただし、骨の状態によっては3~4カ月インプラントが定着するのを待ってから、新しい入れ歯を作製する場合もあります。その間は、古い入れ歯を調整して使っていただくので、歯がない状態が続くことはありません。 編集部: インプラント手術中や手術後に痛みや腫れはありませんか? 水野先生: 手術では局所麻酔を使用するため、術中に痛みを感じることはほとんどありません。手術後は個人差がありますが、多少の痛みや腫れが生じることもあります。これらは通常、数日~1週間で自然に軽減しますが、痛みが強い場合は鎮痛剤を服用しながらコントロールします。適切なケアと患部の安静を保つことで問題なく回復するので、それほど心配する必要はないでしょう。 編集部: 治療後のフォローアップ(お手入れ・メンテナンス)についても教えてください。 水野先生: 治療後のフォローアップは、インプラントと入れ歯の両方に対しておこなっていきます。インプラントオーバーデンチャーはしっかり噛める分、入れ歯が割れたり歯がすり減ったりしやすいため、まずは入れ歯の定期的な点検が必要です。加えて、治療後はインプラントの連結部分のケアも欠かせません。インプラントはむし歯にはならないものの、ケアが不十分だと歯周病になって抜け落ちてしまうので、そのあたりもフォローアップが必要となります。