「知らない人の銅像」「ミセス・ダウト?」 エリザベス女王夫妻の銅像が完成も、「別人すぎる」と批判殺到
<北アイルランドの公園に建てられたエリザベス女王夫妻の銅像に「クレイアニメのキャラみたい」「ミセス・ダウトっぽい」などの声が集まってしまった>
イギリスのエリザベス2世女王と、その夫であるフィリップ王配の生涯を記念して北アイルランドの公園に建てられた新しい銅像が、オンライン上で物議を醸している。銅像が、在りし日の二人に「まったく似ていない」とし、「知らない人たちの銅像だ」「撤去しろ」と騒ぎになっているのだ。 【動画】「知らない人の銅像」「ミセス・ダウト?」 エリザベス女王夫妻の銅像が完成も、「別人すぎる」と批判殺到 アーティストのアント・ブレナン(Anto Brennan)によるこの銅像は、アントリム・ニュータウンアビー地区のカウンシル(地方自治体)の依頼で制作されたもので、2024年9月に除幕された。 銅像が置かれているのは、ベルファスト市に近いアントリム・キャッスル・ガーデンズだ。エリザベス女王がフィリップ王配とともに、最後にベルファストを訪れたのは2016年のことだった。 この銅像に対する自治体当局の評価は上々で、アントリム・ニュータウンアビー市長はこう語っていた。「この美しい銅像は、女王陛下の並々ならぬ生涯と在位期間だけでなく、わが地区の人々への女王陛下の深い関心に敬意を表したものだ。女王陛下の献身、困難を乗り越える力、世代を越えて人々をひとつに結びつける力を永遠に思い出させるものとして立ちつづけるだろう」 ところが、この賛辞に共感した人はそれほど多くなかった。というのも、多数のソーシャルメディアのユーザーがこの銅像を批判し、女王夫妻に似せようとしたその試みをジョークのネタにしているのだ。 ■「エリザベス女王陛下には全然似ていない」「撤去するべき」 あるX(旧ツイッター)ユーザーは、「うわ、なんてこと。まったく知らない人の素敵な銅像だね」と書いている。「エリザベス女王陛下には全然似ていない」 別のユーザーは、映画やテレビ番組になったクレイアニメ『ウォレスとグルミット』のキャラクターに似ているとした。「エリザベス女王とフィリップ殿下の新しい銅像から、#WallaceandGromit(ウォレスとグルミット)が、#TerminatorのT1000(映画『ターミネーター』に登場するアンドロイド)と混ざったみたいな奇妙な雰囲気を感じるのは、わたしだけ?」という投稿もある。 「サンダーバード、出動!」と、1960年代の人形劇シリーズを引きあいに出した投稿や、映画の「『ミセス・ダウト』を思い出した」とする声もあった。 銅像の撤去や解体を求める声まで上がっている。「アントリム・キャッスル・ガーデンズにできた故エリザベス女王とフィリップ王配の新しい銅像は実にひどい。撤去するか、つくりかえるべきだ」とあるXユーザーは書き、別のユーザーもこう付け足している。 「剥製師がつくったみたい。フィリップの表情は生気が薄く、まるでサブティオ(おはじきではじく卓上サッカー)の選手みたいだし、エリザベスは......このへんでやめておこう。芸術とは、本当に主観的なものだ」 ■エリザベス女王の国定記念碑の建設地が決定 この銅像の除幕と時を同じくして、英国政府は最近、故エリザベス女王の国定記念碑の建設地を選定したと発表した。記念碑建設を監督する特別委員会は2023年に組織されていたが、2024年9月7日に、ロンドンのバッキンガム宮殿に隣接するセントジェームズ・パークを建設地に選んだと発表した。 この公園は、ロイヤルファミリーの面々がウェストミンスター寺院へ向かう際に通る有名なパレード・ルートに沿って広がっている。「ザ・マル」として知られるこのルートは、片方の端にはバッキンガム宮殿とビクトリア女王の記念碑が、反対側の端にはアドミラルティ・アーチがある。 エリザベス女王記念碑の建設予定地は、ザ・マルを挟んでセントジェームズ宮殿の向かいにあたるセントジェームズ・パークに位置する。この場所は、バッキンガム宮殿、クラレンス・ハウス(イギリス王室の邸宅[タウンハウス])、セントジェームズ宮殿に近いだけでなく、エリザベス女王の両親であるジョージ5世と「クイーン・マザー」(エリザベス王妃)の記念碑にも近い。 記念碑のデザインは、まだ発表されていない。BBCによれば、英国のキア・スターマー首相は、エリザベス女王による「国への貢献と献身のレガシー」を反映したものになるだろうと述べたという。 (翻訳:ガリレオ)
ジェームズ・クロフォード=スミス