「問題なく利益出せるので安心して」「1か月目で100万円達成」…大阪府警がSNS型投資詐欺の手口公開
「営業感覚」
府警によると、グループでは、相手を信用させるための文章をまとめたマニュアルも共有されていた。メンバーはマニュアルを基にメッセージを作成していたとみられる。
事件では、府警がこれまでに両グループの計107人を詐欺容疑などで逮捕。ほかに5人を公開手配して行方を追っている。
逮捕後に釈放された男性は、読売新聞の取材にこう語った。「だましているのではなく、営業をしている感覚だった」
グループ拠点を部屋府警が再現、公開
府警は今月、グループの拠点だった部屋の様子を再現し、報道陣に公開した。
7月、府警は大阪市中央区と西区の4か所のビルを一斉捜索。グループはビルの各部屋を拠点としていた。
府警の再現によると、部屋には長机やモニターが並べられ、SNSで投資の女性講師になりすまして、不特定多数にメッセージを送る「打ち子」の席には、20台以上のスマホが置かれていた。ホワイトボードに目標や個々の成績が大きく貼り出されることもあったという。
グループは2021年頃に活動を始め、その後に分離。片方のグループは内部に多くチームを設けて、売り上げを競わせるなどしていた。メンバーは主に平日の日中に「出勤」し、報酬は歩合制だった。
ある府警幹部は、「片方のグループは100人規模と大きく、SNSの相手から電話を求められた際には、少ない女性メンバーをチーム間で融通して対応するなど、組織内の連携がとれており、結束力を感じた」と話した。