園遊会で皇后雅子さまのお着物に注目 袖には天皇家の「菊紋」と格調高い鳳凰の帯、愛子さまが幼い時期は「貝遊び」の柄行も
天皇、皇后両陛下が主催し、東京・赤坂御苑で春と秋に開かれる園遊会。今年は10月30日に催されるが、招かれた各界の著名人らをもてなす、女性皇族の華やかな装いが楽しみのひとつだ。なかでも雅子さまはこれまでの園遊会で、秋には鮮やかな紅葉、春には流水に夏草など美しい柄行に加え、両陛下の長女の愛子さまが幼い時期は「貝遊び」の柄行の着物もお召しになっていた。一方、帯留めやアクセサリーをほぼつけずに招待者をもてなしてきた雅子さま。その装いからは、雅子さまの思いがにじんでくる。 【写真】皇后雅子さまの袖に見えた天皇家「菊紋」の写真はこちら! * * * 雅子さまが園遊会で初めて着物をお召しになったのは、ご結婚の翌春の1994年の春の園遊会だった。会の始まるころに降っていた小雨は、当時の天皇陛下(上皇さま)と皇族方が三笠山におそろいになったときにはやみ、陛下と皇族方は傘をたたんで、招待者と交流した。 雅子さまの淡い水色の訪問着は、金箔の流水文様に重ねて、桜や菊など四季の草花が美しく配されている。 帯は、斜め取りの文様に草花が織り込まれた華やかな柄に、黄緑の帯紐で若々しくまとめている。 園遊会の写真を振り返ると、雅子さまは皇太子妃時代から、帯留めやアクセサリーをほぼつけていないことに気づく。ごくたまに真珠の指輪などをつける程度で、極めて控え目な装いだ。 昭和の時代から皇室に着物をつくり、納めてきた「染の聚楽」(京都市)代表の高橋泰三さんは、その思いを見て取る。 天皇と皇后が主催し、各界の功労者を招く園遊会の主役は、お客さま。次代の天皇と皇后となる当時の皇太子さまと皇太子妃雅子さまも、主催側として両陛下を支える立場だ。 「お客さまを招く側は、控えめな装いが基本です。雅子さまは皇后となってからも、主張し過ぎない、控え目な淡い色合いの着物をお選びです。おもてなしをする立場としての心構えを、当初からお持ちであったのでしょう」