Women In Tech 30 発表:テクノロジー領域で未来を創造する30人の女性
「数理女子」増のための活動も
■ジェンダード・イノベーションの社会実装 佐々木成江|横浜国立大学客員教授/学長特任補佐(ジェンダード・イノベーション担当) 経済産業省産業構造審議会、内閣府男女共同参画専門調査会、男女共同参画学協会連絡会などの委員を務め、「ジェンダード・イノベーション」に関する政策提言等を行った。また、2019年よりお茶の水女子大学の准教授/学長補佐としてジェンダード・イノベーション研究所の設置(22年4月)に尽力。同研究所の特任教授を経て、24年4月より横浜国立大学客員教授/学長特任補佐「ジェンダード・イノベーション担当」として同概念の普及および社会実装の活動を行う。女性研究者の活躍支援にも長きに渡り活動を行ってきた。 ささき・なりえ◎東京大学大学院博士課程修了。博士(理学)。専門は生物学。名古屋大学大学院准教授、お茶の水女子大学ジェンダード・イノベーション研究所特任教授などを経て、24年4月から現職および東京大学大学院特任准教授。 ■「数理女子」増のための活動も 佐々田槙子|東京大学大学院数理科学研究科教授 専門は確率論、数理物理学。「現代数学による確率概念の定式化」に感銘を受ける。統計力学の数学的な基礎づけに使われる確率論の魅力に惹かれ、確率論や数理物理学の研究を続ける。最近は、代数学や幾何学などさまざまなアプローチで、非平衡統計力学の普遍的な理解を目指す。日本数学会賞建部賢弘賞奨励賞、日本学術振興会育志賞、輝く女性研究者賞(ジュンアシダ賞)、藤原洋数理科学賞奨励賞、現象数理学三村賞奨励賞等を受賞。Webサイト「数理女子」を共同運営。高校生向け講演会など、数学の魅力を広く伝える活動も積極的に行う。 ささだ・まきこ◎東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了。東京大学大学院数理科学研究科准教授等を経て、2023年10月より現職。17年より理化学研究所革新知能統合研究センター客員研究員を兼任。 ■「AI×発達障害当事者研究」の第一人者 長井志江|東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構 特任教授 人工知能(AI)やロボット技術を活用し、人の認知機能の発達原理を探る認知発達ロボティクス研究に従事。自己認知や共感などの認知機能が、脳・身体・環境の相互作用を通して発現するメカニズムを構成的アプローチから解明し、発達科学に新たな洞察をもたらす。AIと発達障害当事者研究を融合した学際的研究の第一人者として、複数の大型プロジェクトを牽引。感覚過敏・鈍麻を再現する自閉スペクトラム症知覚体験シミュレータは、多くのメディアに取り上げられ、発達障害者支援に革新をもたらす技術として注目される。 ながい・ゆきえ◎博士(工学)。ビーレフェルト大学ポスドク研究員、大阪大学特任准教授等を経て、2019年より現職。20年、「World’s 50 Most Renowned Women in Robotics」に選出された。 ■電波望遠鏡「アルマ」東アジア代表 深川美里|自然科学研究機構 国立天文台 教授 望遠鏡を使って宇宙で惑星系が誕生する現場を詳細に観測し、誕生のプロセスに関する知見を深めている。これにより、私たちの太陽系の成り立ちや宇宙での位置付けをとらえ、最終的には宇宙における生命を理解するための学術的な取り組みに寄与。また、東アジア代表(プロジェクトマネジャー)として、東アジア・北米・欧州のパートナーシップによる世界最高性能の電波望遠鏡「アルマ」の運用を行う。アルマでの機器開発や幅広い科学的成果は他分野にも波及効果をもたらし、次世代の科学者育成にも貢献している。 ふかがわ・みさと◎星と惑星系の形成を専門とする天文学者で、現在、国立天文台、総合研究大学院大学、東京大学で教授を務める。原始惑星系円盤の物理的性質を研究しつつ、南米チリに建設されたアルマ望遠鏡の運用も行う。 ■「宇宙思考」の世界への伝道師 天文物理学者BossB|天文物理学者BossB 愛と自由と平和のインフルエンサーとして、SNS(総フォロワー数70万人超)を中心に宇宙思考で皆が輝ける社会をつくるために発信を続ける。国内では女子・女性エンパワ活動を中心に、受験制度廃止・詰め込み教育改革を視野に入れた活動を行い、国外ではエチオピアの貧困農村部の女子への教育サポートを行うLetGirls Learn Projectを行う。本業は信州大学工学部准教授、現在の研究関心は、量子(情報)論と認識論の重複領域、自由意志とマルチバース、大学ではグローバルコミュニケーションと宇宙思考の講義を担当。 天文物理学者BossB◎息子ふたりを宇宙よりも愛する母。コロンビア大学博士課程終了後、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、ドイツ・マックスプランク天文学研究所、7年の子育て期間を経て、現在信州大学准教授。 ■人のように言葉を理解するAI技術を 谷中 瞳|東京大学大学院情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻准教授(卓越研究員) 近年、深層学習を用いた自然言語処理技術が急速に進歩。しかし、深層学習による自然言語処理技術は、入力から出力に至るまでの判断がブラックボックスであり、否定や数量などのさまざまな意味の扱いや、未知のデータに対する汎化といった課題がある。そこで、より人のように言葉を理解する技術の実現に向けて、理論言語学と自然言語処理のアプローチを組み合わせた自然言語処理技術の解釈性・説明性・信頼性の研究に取り組む。人工知能学会優秀賞、2022年船井研究奨励賞、24年文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞。 やなか・ひとみ◎2018年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。同年より理化学研究所特別研究員、21年より東京大学卓越研究員に採択され、23年より現職。理化学研究所客員研究員、人工知能学会理事など。 ■「Women In Tech 30」2024アドバイザリーボード 益 一哉|東京工業大学 学長 川合眞紀|自然科学研究機構 機構長 松尾 豊|東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター/技術経営戦略学専攻 教授 板津 木綿子|東京大学大学院情報学環・学際情報学府 教授/B’AI Global Forumディレクター 村上明子|損害保険ジャパン CDaO(執行役員データドリブン経営推進部長)/AIセーフティー・インスティテュート所長 楠田倫子|日本ロレアル ヴァイスプレジデント コーポレート・レスポンシビリティ本部長 菅 由紀子|Rejoui 代表取締役 高橋祥子|TAZ inc.代表取締役社長/ジーンクエスト取締役ファウンダー 玉城絵美|H2L 代表取締役/琉球大学工学部工学科知能情報コース教授 奥本直子|NIREMIA Collective 兼創業者 マネージング・パートナー Sophie Meralli|Tokyo Women in VC 代表理事 古川詩野|Tokyo Women in VC 代表理事 Ari Horie|Women’s Startup Lab 代表取締役 矢澤 麻里子|Yazawa Ventures 代表パートナー 川口りほ|ANRI シニアアソシエイト 杉本 亜美奈|fermata CEO 松岡剛志|日本CTO協会 代表理事 近藤佑子|翔泳社Women Developers Summitオーガナイザー/CodeZine編集長 石倉秀明|山田進太郎D&I財団 COO 中島さち子|steAm 代表取締役社長 特別協力 田中 沙弥果|Waffle 理事長 ※肩書き等は発売日当時のもの
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