【天皇賞・秋 俺のチェックポイント】攻めた！レーベンスティール衝撃の一番時計 ルメール騎手「スイッチオンしましたね」
日替わりで東西の記者がGⅠの勝ち馬探しに奔走する「俺のチェックポイント」。3日目は東京サンスポの綿越亮介記者がエプソムC、産経賞オールカマーと連勝中のレーベンスティールを取り上げる。この日、仰天の美浦Wコース一番時計をたたき出した意図に迫った。 ◇ 追い日の美浦で、ひと際存在感を放ったのがレーベンスティールだ。2週続けてルメール騎手がまたがり、Wコースでベジャール（OP）を5馬身ほど追走。コーナーで早々に内から並びかけると、鞍上が軽く仕掛けただけで抜群の切れ味を披露し、僚馬にクビ差先着した。 圧巻の動きもさることながら、6ハロン77秒5（ラスト1ハロン11秒4）の猛時計には目を見張った。この日の一番時計で、自己ベストを2秒2も更新。鞍上は「先週は反応がちょっと遅かったですけど、きょうはすぐに加速してくれました。スイッチオンしましたね」と上昇を感じ取っている。 もちろん、調教評価は文句なしの『S』だが、これほど驚異的なタイムをレース当該週に出してきた意図は？ 田中博調教師を直撃した。 「予定より全体で1・5秒くらい速くなりましたが、前走とは戦う相手も違いますし、同じ仕上げでは勝負にならないというところを踏まえて調整しています。それに馬もよく応えてくれているなと思います」 リバティアイランド、ドウデュースといった現役最強クラスを撃破するべく、〝攻め〟の姿勢を打ち出している。これだけハードな調整ができるようになった理由は、肉体面の強化だ。以前は体質に弱さを抱えていたが、「肩回りや首の筋肉がすごく発達して調整しやすくなった」と夏を挟んでの成長を明かす。この日も「それほどオーバーワークにもならず、揚がってきたときの雰囲気もいい」というのだから空恐ろしい。想像以上の成長曲線を描いている。 コース替わりも好材料だ。前走は中山芝2200メートルで勝ったが、指揮官は「右回りのコーナー4つが一番乗りづらい可能性がある。東京の2000メートルはすごくパフォーマンスを出せる舞台」と歓迎する。 究極の仕上げを施し、舞台もベスト。さらに、鞍上は秋華賞、菊花賞と2週連続GⅠ勝ちと乗りに乗っている。これだけプラス要素がそろえば、24日に決まる枠順次第では重い印を打つ必要がありそうだ。（綿越亮介）
