売れないなら値引きはもう古い? 「 レンタル 」はファッション業界の在庫問題に対する解決策となるか
売れ残りやすい奇抜な服……実はレンタルでは人気者に?
ファッションを愛する女性たちは、レンタルファッションの台頭により多くのブランドや小売業者がデザインや仕入れに関して冒険をしなくなったとしても、「本物の(F)」ファッションが生き残っていることを知れば安心できるだろう。また今の時代の消費者の購買習慣に合わせることも目的のひとつであり、コストパフォーマンスは高いが主張に欠ける定番アイテムに重点を置いている。 消費者はインパクトのある服をいわば一時的な流行のデザインとみなす傾向にある。そしてその服はたとえば何かのイベントのためにたった一度しか着用されないため、コスト的には割に合わずにバーゲンに出されるケースが多い。一方でそうした大胆なデザインは、レンタルチャネルでは大人気である。 「派手で目立つプリント」で知られる創業16年のファッションブランドであるレイチェルアントノフ(Rachel Antonoff)の場合、現在レントザランウェイ(Rent the Runway)とヌーリー(Nuuly)が二大小売企業だと創業者のレイチェル・アントノフ氏は5月初頭に米Glossyに語った。これらの企業はブランドから卸値で購入してレンタルを行っている。レイチェルアントノフはサックス(Saks)やノードストローム(Nordstrom)のような「大手」の小売パートナーを確保することを目標に、最近になって落ち着いたデザインをラインナップに加えたばかりだと同氏は言う。 「我々はブランドがもっと思い切った選択をできるよう後押ししたい。ブランドを完全に自由にさせ、それぞれが得意なことや楽しいことができるようにしてあげたい」とホフマン氏は語る。「初めてエリゼウォーカーを訪れたとき、ブランドは大々的なセールの真っ最中で、セール品となっていたすべてのプリント柄とカラーを目にした。そしてそうしたアイテムは1回限りのレンタルにまさにぴったりだった」。 エリゼウォーカーとのパートナーシップを補完するPoC(概念実証)として、P180は今後4~6週間以内にブランドパートナーを発表する予定だ。各パートナーにとって、1回限りのレンタルサービスが普及したあとは定期的な収益を保証するサブスクリプションモデルの導入が目標となる。 「これは若者が自分の洋服を揃えていく方法だ。他社レンタルサービスもそれを検証している。当社は小売業者やブランドのなかに自らを組み込むことで、そこに異なる要素を持ち込むだけだ。これは実績のある技術を新たな方法で応用することなのである」。 [原文:Luxury Briefing: Does fashion rental hold the answer to the industry’s inventory problem?] JILL MANOFF(翻訳:Maya Kishida、編集:都築成果)
編集部