売れないなら値引きはもう古い? 「 レンタル 」はファッション業界の在庫問題に対する解決策となるか
急成長するレンタル市場
5月7日にハンシッカー氏とホフマン氏はP180の設立を発表すると同時に、創業25年のラグジュアリー小売店であるエリゼウォーカー(Elyse Walker)への同社初の投資を発表した。現在このパートナーシップにより、エリゼウォーカーでは「ボロウ(Borrow)」というプログラムを通じて厳選されたアイテムのレンタルを提供している。今はカースルの従業員20名がこのサービスを担当している。 2022年に創業者のエリゼ・ウォーカー氏は、2023年度の売上高が1億ドル(約155.5億円)に達する勢いだと語っていた。 この発表以降、ブランドや小売業者から「多くの」関心が寄せられているとホフマン氏は話す。また、P180はカースルを守る働きもしている。 厳しい経済状況のなかで人々が財布の紐を締めるとき、ブランドはしばしば主要商品を補完する商品やサービスを縮小し、結果として墓穴を掘ることになる。グランドビューリサーチ(Grand View Research)によると、レンタル市場は2030年までに23億3000万ドル(約3624億円)の市場に成長する見込みだ。そのため今後はさらに多くのレンタル会社に加え、リセール会社や革新的な素材、小売技術企業がブランドや小売業者と同様の契約を結ぶようになると考えて間違いないだろう。 「消費者に直接販売するレンタル業界のほかの企業とは対照的に、カースルは消費者に販売する企業に販売をしている。業界が苦境に立たされているとき、このビジネスは我々にとってさらに厳しいものになる。なぜならそうした企業は何よりもまず、収益の拡大や店舗管理、そして利益に注力しているからだ」とハンシッカー氏は言う。「だがP180と提携することで、企業らがビジネス上の何か大きな問題に取り組んでいるあいだ、当社は企業のための利益牽引センターになることができる。我々は優れたブランドが再び力を発揮できるよう支援し、そこから収益化の面でイノベーションを起こすことができる」。