関取衆最年長40歳の玉鷲が時津風一門連合稽古5勝1敗 公私の“弟”玉正鳳にはダメ出し
大相撲で関取衆最年長の40歳、幕内優勝2度の東前頭10枚目玉鷲(片男波)が、一門外から参加した時津風一門の連合稽古で存在感を発揮した。7日、初場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けて行われた同連合稽古で、関脇大栄翔、小結若隆景らを相手に計6番で5勝1敗。立ち合いからの押しの圧力は変わらず、左右に動かれても即座に対応するなど、重さと速さを兼ね備えた印象を残した。 いきなり4連勝したところで、弟弟子で義理の弟の玉正鳳と代わった。一門外の上、新入幕とあって、申し合いでは幕内力士に買ってもらえない様子を見かねて譲った。ただ、代わった玉正鳳が、すぐに翔猿に負けたとあって「あいつ、1番で負けやがって」と、笑いながら冗談めかしてダメ出し。それでも「今場所は自分というより、玉正鳳が目立つ場所になったらうれしいね。一緒に土俵入りすのも楽しみ」と、兄弟子&義兄の“兄”らしく話した。 40代として初の年越しを迎え、新年の抱負を問われると「終わりがいつになるのか。いつまでも、しがみついていて、いいものか。必死な姿を見せるのが、いいことなのか、悪いことなのか分からない」と、神妙な表情を見せて話した。がむしゃらに頑張りたい気持ちもある反面、自身がずっと幕内にいることで、幕内の1枠を使い、若い力士のチャンスを奪っていることにもなるのではないかと、考えている様子だった。一方で「自分らしい、いい相撲を取りたい」という、入門以来、変わっていないものも強調した。初場所は19年に初優勝を果たした験の良い場所だけに、最後は「まだまだ、全然あきらめていない」と力説。3度目の優勝、3年ぶりの三役復帰という目標へ、内に秘めた闘志の一端をのぞかせていた。【高田文太】