ライダーなら一度はやりたい『ヤエー!!』ってナニ!? どうやるの!?
『ヤエー!!』定着の背景には、YouTubeのツーリング動画が普及し、“誰もが観られて、誰もが動画を上げられる時代”となったことがあるのは間違いないだろうが、その特徴は80年代、90年代の「ピースサイン」と違って現代の『ヤエー!!』は全国的なものということだ。 僕がバイク雑誌の編集者をしていた頃は、ときどき誌面で「ピースサイン」を取り上げており、「1日走ってピースサインを出し続けたらいったい何人が返してくれるのか?」なんて企画を関東圏で実施したのだが、返してくれたのは“わずか数人(0人の時も…)”でガックリ!なんてことがよくあった。ところが『ヤエー!!』が定着した近年は、状況が一転。 僕自身も、“自分から『ヤエー!!』を出すことはあまりなく、出されれば返す”ライダーなのだが、近年は北海道だろうと本州だろうとバイクでツーリングに出かけて『ヤエー!!』せずに帰ることはないくらいだ。
『ヤエー!!』のやり方においてTPOは大切
さてここからは『ヤエー!!』実践編。実際に失敗しない『ヤエー!!』の出し方をレクチャーしていこう。というのも、期待に胸を膨らませて『ヤエー!!』を出したにも関わらず、返して貰えなかったらかなりションボリすることになる。 そんな『ヤエー!!』デビューに失敗しないために重要なのはTPOをわきまえることだ。意を決して見ず知らずのライダーに『ヤエー!!』してみたのに返してもらえなくて闇堕ち、『ヤエー!!』否定派になる……なんてことがないようにしてもらいたい(笑)。 さて、TPOの“Time”は、タイミングだ。知っての通りバイクは車よりも運転が複雑な乗り物。『ヤエー!!』を出す方は自分でタイミングを選べるが、返す方は“それなりの余裕”が必要。なのでコーナリング中のライダーに『ヤエー!!』を出しても『ヤエー!!』は返ってこない。また直線であっても勾配のキツイ坂道(特に下り坂)など、余裕のない状況においても『ヤエー!!』を返しにくい。なので『ヤエー!!』を出すなら、お互いに十分に安全が確保できるタイミングで出すことが大前提となる。 また『ヤエー!!』を返す場合の無理も禁物。手を上げる余裕がない場合は軽く会釈すれば、相手に意図は伝わるし、その余裕もなければ返さなかったところで、相手も「今のはちょっとタイミングが悪かったな……」と反省しているはずだ。 TPOの“Place”は、場所。『ヤエー!!』を出すのはツーリング先で、お互いツーリングライダーであることが前提条件となる。目的地へと急ぐ通勤中のライダーに『ヤエー!!』を出したところでまず返ってこないものなのだ。『ヤエー!!』挨拶が成立するのは、お互いツーリング中で“バイクってやっぱり楽しいよね!”と心が開いていることが大切。なので『ヤエー!!』成功率を上げるには、○○スカイラインや海沿いのワインディングなど、ライダーの定番ツーリングスポットに行くといいだろう。また不思議とツーリングスポットでも、スポーツライディング愛好家のように走りに集中したいライダーは、余裕があろうとなかろうと『ヤエー!!』を返してくれないことが多い。 TPOの“Opportunity”は、機会。『ヤエー!!』を出されたり、出したりしていて感じるのは、『ヤエー!!』には“絶好の好機”があるということだ。冒頭の『ピースサイン』のくだりでも書いたけど、挨拶するライダーとの以心伝心というか、ある種の共感が伴うと『ヤエー!!』は単に“返してくれた!”以上の喜びが生まれるのだ。“いい景色だね!”とか“お互い頑張ろうぜ!”なんて思える状況での『ヤエー!!』がキマるとちょっとクセになるぞ!