パリでは茶室に人だかりが...海外で「日本の茶道」がブームになっている理由
近年、日本国内だけでなく海外からも注目されている「茶道」。普段忙しく過ごしているビジネスマンや日本に観光にやってきた外国人など、多くの人々に茶道がうけているのは一体なぜなのでしょうか? 【写真】イギリス人が感激した"日本人の服の畳み方" 神社・お酒・歌舞伎・相撲など日本文化の様々なルーツがあるとされる山陰地方(鳥取・島根)で呉服店「和想館」を経営。和と着物の専門家である池田訓之氏が解説します。
茶道ブームが来ています!
わたしは山陰地方で呉服屋【和想館】を営んでいますが、「着物」と「茶道」をヨーロッパの玄関といわれるロンドンから、ヨーロッパ中に広く紹介したいとの思いで、コロナ前にはロンドンにも出店していました。 和想館ロンドン店に足を踏み入れると、寿司カウンターならぬ、抹茶カウンターがまず登場します。抹茶のオーダーが入ると、目の前で、茶道具を袱紗で清め、茶碗を茶巾で清め、一服の茶を差し上げます。さらにくわしく茶道のことを知りたい方のために、茶道体験講座も月に一度は開催していましたが、いつも予約で埋まっていました。 また、ロンドン店を開く前の2013年には、パリ郊外に日本好きのパリっ子が集まる「ジャパンエキスポ」にも、茶道のパフォーマンスを披露しに参加したことがあります。 こちらは、5日間でなんと25万人が集まります。一回に茶道体験ができる人は5人くらいでしたが、仮設の茶室の周りには、何重にも人が取り囲み、チケットは取り合うようにして一瞬で消え去り、終日黒山の人だかりができていました。現在も山陰の大学に来ている留学生に店の茶室で定期的に茶道体験会を催しております。 今、こうして外国人の間で茶道はとても注目されています、また日本国内でも、芸能人やビジネスマンの間で、人気が急増中です。 実際、私は遠州流という武家茶道の稽古を続けていますが、東京の神楽坂にある、家元の道場で開かれる茶会では、よくテレビで見かける芸能人や、著名な企業の経営者の姿を見かけます。なぜ今、国内外で「茶道」に注目が集まっているのでしょうか?