大阪市の橋下市長退任記者会見【全文2】
コメンテーターから政治家へ 実際やってみてどうだったか?
司会:ほかにいかがでしょうか。 毎日放送:すいません、毎日放送です。今、いったんこれでやりきったというところがおありだということですけども、先ほどから批判されています、コメンテーターから政治家になられたわけですけども、政治家、実際やってみて、やる前と、政治家という仕事を今、橋下さんはどういうふうに捉えてらっしゃいますでしょう。 橋下:やっぱり社会には絶対必要な存在ですよね。政治家なくして民主主義の国なんて成り立たないので、社会にとって絶対必要な存在。思った以上に、もう想像を絶するぐらい、思った以上というか、想像を絶するぐらい実行するしんどさ。言うのは簡単だなと。法人税減税なんてね、この経済政策を語る人たちってみんな言うわけですよ。法人税減税、規制緩和って。これはもうこの政治っていう場で、自分の考えを実行するっていうのはとてつもない、こんなしんどいことなのかっていうことを実感しました。あれ、法人税の減税なんて、だって、民主党政権のときなんてみんな、民主党の国会議員みんな言ってました。できないわけなんですよ。財務省やら何やらいろんなものが反対してきて、財務問題があって、党内の中でも財政規律派が反対してくる。 で、僕は軽減税率は反対ですよ。軽減税率は反対だけれども、でもあれを押し切ってああいうふうにやっていくっていうのは、今回の首相官邸のあの政治ですよね。言うのは簡単ですけど、そんな、やるのがこんなにしんどいことなのかっていうのが、自分の想像を超えてました、コメンテーターのときのね。政務活動調査費とか、問題なのはコメンテーターやってたときに分かってたんですよ。で、こんなのはもう駄目じゃないかって言うのは簡単なんですよね。じゃあ、それを改めていくっていうのが、どれだけしんどいことか。もうこの、言うこととやることの違いっていうのは、自分なりには分かってたつもりなんですけども、政治の場において、政治行政の場、特に政治行政の場においてですね。行政っていうのはもう利害関係者が無限にいますから。そういう中で物事を実行するしんどさっていうのは、本当に想像を超えていましたよね。 毎日放送:政治家でしんどい部分っていうか、いろいろすり減らされる部分もあったと思いますし、敵を無駄につくってきたわけではないというとこだと思うんですけど、この間、8年間、ご家族も支えてこられたということで、今日の引退に当たってご家族に対しての思いっていうのはございますでしょうか。 橋下:それはお嫁さんにはいろいろ。いやいや、それはもう家族に一番負担掛けてますよ。ねえ、これは。いや、だからもうこれはまともにやったら、真面目に本気で政治なんて、やっぱりなかなかできないですもん、家族持ったらね。この8年、家族には本当に迷惑や犠牲を強いっ放しだったなっていうのはありますよね。 毎日放送:あと、最後に1点なんですけども、『ちちんぷいぷい』のちょっと番組関係者が心配していまして、都構想の住民投票のときに、この間、一番関係が変わったのが『ちちんぷいぷい』との関係だという、おっしゃっておりまして、で、今後この、政治家を引退されると、この関係というのは修復していただけるのか、みたいなことを心配してるんですけど。 橋下:(笑)。いや、だからそれもだから、それは政治家っていう立場とメディアっていう立場の中で、それは向こうだって権力チェックの役割があるんでね。僕だってこういう立場ですから、それは仕事としての関係でこういうふうになりますけども、別に何か、個人的に恨みつらみがあるとか、さっき言ったように、個人の関係というか、政治家、権力チェックと政治家の関係ということを超えた形で、人間として何か侮辱をしてきたとか、そういうことだったら許せないですけど、そうじゃなくて見解の相違とか、そういうところであれば、それは、僕は私人になるわけですから、何かそれを引きずって、そんなことを引きずってなんか商売するつもりはないです。だからといってすぐ出るとか、そんな話じゃないですよ。 毎日放送:ありがとうございました。