【カスタム車紹介】ACサンクチュアリー CB900F(ホンダ CB900F)重要なエンジン&車体作りを丁寧に行いカラーもアレンジ
CB-Fコンプリートのポイント、エンジンを精密チューン
コンプリートカスタムという手法で車両を手に入れる。元になる車両の履歴を全バラ等でいったん解きほぐして現状を知る。その上で各パートを新品に近い状態にし、オーナーに合わせた、あるいは前後17インチや18インチなど希望のスペックを加え、自分仕様としての新しい履歴を積み上げる。その考えは、純正を大事にしたいライダーが多い傾向にあるCB-Fシリーズにも適用していいだろう。 【写真はこちら】 ACサンクチュアリーがカスタムした「CB900F」の全体・各部(12枚) ACサンクチュアリーのコンプリートカスタム、RCM(Radical Construction Manufacture)はその具体例とも言えそうだ。今回ちょうど車両が作られたところで、CB-Fを元にする場合に必要な要素を同店・中村さんに聞いてみた。 「この車両はRCM-604というシリアルナンバー(通算製作番号)が付いていて、ほぼ同時にもう1台、RCM-609ナンバーのCB-Fを作っていました。ともに750でも1100でもなく900でした。そしてどちらのオーナーさんも、CBに憧れていて、パリッとした車両がほしい。パーツがないなどの情報は知っておられて、何とかなる今のうちにとオーダーされました。どちらも17インチ仕様のRCMで作りたいと明確にされていたのも特徴です。RCMで多いZ系とCB-Fでは車種こそ違いますけどじつは17インチ化する際のポイントは近く、トレール量不足にならないようなキャスター角やフォークオフセットの設定、純正よりもわずかに長いスイングアームを使うという具合。ですから車体はわりと決めやすい。やはり難しいのはエンジンです。ピストンこそDiNx製ほか選べますし、クランクなど内燃機加工で整えるのはできますけど、純正のカムチェーンテンショナーや消耗品がないのが大変。使えるリプロ品、中古品も探すなどして、以後も耐えられるようにした上で仕立てます」とのこと。 この車両に話を戻せば、そうした内容=数値や作業的に確立されている車体作りは問題なし、エンジンもパーツが揃えられて精密加工もできて、この先は当面心配なし。いいタイミングで作ることができたわけだ。こうした視野も、参考にしておきたい。
ヘリテイジ&レジェンズ編集部