艶消しブラックに秘められた飛びの秘策とは? コブラ『ダークスピードX ドライバー』【ヘッドデータ分析で判明】
GD ロフトを立てることでスピン量を減らし、強く低く速い打球で飛距離を稼ぐドライバーなんですね。ライ角についてはいかがですか? 松尾 前作の『エアロジェット』が58.0度とフラットなライ角設定で、アドレスでヘッドのトウ側が立ち上がらないので、球のつかまりイメージが消されています。一方、今回の『ダークスピードX』は60.0度、これは日本のアベレージモデルに多く見られるアップライトな設定です。フェース角と合わせて考えると、オープンフェースながらもエアロジェットと逆の「アドレスでつかまるイメージを出したい」狙いで設計されたと思います。 GD 逃げ感のある顔がベースにありながらも、アドレスでボールをつかまえる感覚をイメージさせやすくするためのアップライト設定なんですね。では『ダークスピードX』ドライバーはどんなゴルファーにおすすめでしょうか? 松尾 「ダークスピードシリーズ」の中では標準モデルの立ち位置となりますが、立っているリアルロフト角から考えると、普段から高い弾道でスピンが多くて悩んでいるゴルファーにいいでしょう。またヘッドの慣性モーメントが小さいことから、芯を外したときのミスヒットに強い設計ではありません。スイートスポットに安定してミートできる腕前が必要だと思います。
見た目も性能も尖っている!
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは10.5度、シャフトはメーカー純正「スピーダー NX for cobra」です。掲載数値はすべて実測値となります。 クラブ長さが45.13インチ、クラブ重さは299.8グラムと共に標準的ですが、スウィングウェイトがD3.6と大きいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが291万g・㎠と大きくなっています。計測数値のみで推察すると、ドライバーのヘッドスピードが45m/sくらいのゴルファーにとって、リズム良く振りやすくなっています。 ヘッド形状は時計の3時方向に張り出していて、“コブラらしい三角形型“は健在で、フェース面のバルジが少ない平らなフェース面が特徴です。