航続距離800km! イタリア製高級EV、2026年生産開始 新工場に1900億円投じる
初の市販車、名称も正式決定
イタリアの新興EVメーカー、アエラ(Aehra)は、生産開始に向けて準備を進める2台の市販車の正式名称を発表した。SUVは「インペト(Impeto)」、セダンは「エスタージ(Estasi)」と命名された。 【写真】イタリア新興企業が繰り出す高級ハイパフォーマンスEV【アエラの新型インペト、新型エスタージを写真で見る】 (20枚) いずれも同社初の市販車で、航続距離800kmを謳う高級志向のハイパフォーマンスモデルである。2026年半ばに生産を開始する予定だ。 アエラは8月5日、イタリア中部のアブルッツォ州モシャーノ・サンタンジェロに約1万9000平方メートルの工場を建設する事業計画をイタリア産業省に提出した。国内の炭素繊維産業と、技術提携を結ぶラクイラ大学が近いことからこの場所を選んだという。 創設者兼CEOのハジム・ナダ氏は、これらは「アエラの製品の中心となるカーボンファイバー製モノコックシャシーの製造に不可欠」な要素だと説明する。 「アブルッツォ州は特別な地域開発が行われているエリアであるため、さらなる財政的メリットが期待できます」 「アエラは、ラクイラ大学とも戦略的な関係を築いています。世界最先端のEVエンジニアリングセンターを擁する同大学は、アエラの先進的な航続距離800kmの電動パワートレインや将来のEV技術開発の鍵を握ることになります」 「我々はまた、ミラノ工科大学とも同様のパートナーシップを結んでいます」 アエラは今年後半に12億ユーロ(約1930億円)を投じて工場建設に着手する予定だ。この工場によって地元で540人、ミラノの本社で110人の雇用を創出できるとしている。 イタリア政府が国内自動車産業の強化を目指していることを背景に、アエラは政府からの支援を求めている。 イタリアの産業省は以前、アルファ・ロメオに対しポーランド製の「ミラノ」を「ジュニア」に改名するよう迫ったほか、モロッコで生産されたフィアット「トポッリーノ」にイタリア国旗の刺繍が施されていたことを理由に、その出荷を差し押さえた。 また、イタリア競争・市場庁(CMA)も最近、DRとEVOに対し、中国製のクルマをイタリア製として販売したとして600万ユーロ(約9億6500万円)の罰金を科した。
執筆 AUTOCAR JAPAN編集部