圧倒的なトルクを、意のままに支配する醍醐味。大排気量MTスポーツの面白さ【トヨタ GRスープラ×BMW M2】
試乗車種概説①トヨタ GR スープラ RZ「3年目のターニングポイント」
スポーツカーにとって、速さを備えていることは確かに魅力のひとつだ。だが本質はそこではない。身体とクルマがひとつになったように走ることの喜び。あえて3ペダルMTの2台でその嬉しさを感じる。 【写真はこちら】MTの本格的なスポーツカーというとスパルタンな乗り味を想像。だが、実用域においては意外に従順だ(全19枚) 国産ハイパフォーマンススポーツカーの代表とも言えるトヨタ「GRスープラ」に一部改良が実施されたのは、2019年5月に発売を開始してほぼ3年となる2022年4月だった。 一番の注目点は8速AT(オートマチックトランスミッション)のみだった「GRスープラ」に、「RZグレード」限定で6速MT(マニュアルトランスミッション)が新設定されたことだろう。搭載される3L 直列6気筒DOHCターボ(387ps/500Nm)エンジンを自在に操る楽しさを追求した、待望のマニュアル仕様だ。 パフォーマンスも格別だ。コンピュータがドライバーのクラッチ、シフト操作に合わせて、最適なエンジン回転数になるよう制御する「iMT」機能が与えられ、格別なスポーツドライブへの期待を高めてくれる。しかも、MT専用の室内サウンドチューニングが施され、加速時の盛り上がりをさらにエキサイティングに演出してくれるという念の入れようだ。 同時に「RZグレード」には、専用の新意匠の鍛造19インチアルミホイールが装着される。「GRヤリス」や「GR86」と統一性を持たせつつ、スポーク形状や断面形状を見直すことより軽量化/高剛性化を両立し、性能向上と機能美を追求したものという。 この一部改良の際、全グレード共通の進化として、ステアリングと足まわりの改良によるハンドリング性能および乗り心地性の向上が図られた。 具体的には、AVS(アダプティブバリアブルサスペンション)の制御とアブソーバーの減衰特性チューニングによる、ロールバランスと乗り心地の改善、スタビライザーブッシュの特性変更による操舵初期の応答性向上、シャシー制御系(AVS、EPS<エレクトリックパワーステアリング>、VSC<ビークルスタビリティコントロール)の見直しによる操舵フィーリングと限界域でのコントロール性の向上といったメニューが並ぶ。(Webモーターマガジンより) 【トヨタ GRスープラ RZ主要諸元】 ●全長×全幅×全高:4380×1865×1295mm ●ホイールベース:2470mm ●車両重量:1520kg ●エンジン:直6DOHCターボ ●総排気量:2997cc ●ボア×ストローク:82.0×94.6mm ●最高出力:285kW(387ps)/5800rpm ●最大トルク:500Nm/1800-5000rpm ●トランスミッション:6速MT ●駆動方式:FR ●燃料・タンク容量:プレミアム・52L ●WLTCモード燃費:11.0km/L ●サスペンション形式:前ストラット/後マルチリンク ●ブレーキ 前:Vディスク/Vディスク ●タイヤサイズ:前255/35R19、後275/35R19 ●車両価格(税込):731万3000円