ポーランド映画の現在地<2>製作支援の公的枠組み・個の尊重…「共助」の仕組みが文化につながる
同協会は、ワルシャワに「キノ・クルトゥーラ(直訳すれば『文化映画館』)」というアートハウス映画館も所有。野心的なポーランド映画、各国の優れた映画を上映するほか、映画人たちによるさまざまなイベントを開催。このほか、仕事にも休養にも使える保養施設も持っているという。
文化的であるということ
個を大切にして、映画文化をつむぐ。文化的であるということは、人間を尊重することなのだと今回、取材をしながら思った。「私たちが作りたいのは、(商業的な成功を最優先するようなタイプの)プロデューサー映画ではなく、作家主義の映画」とビエラフスカ氏が強調していたことも、心に残った。ポーランドにおける映画界の「共助」の仕組みを聞くにつけ、それが確立されていない日本の現状と引き比べずにはいられなかった。(編集委員 恩田泰子)(つづく)