[Balcom BMW CUP]U-17日本代表がウズベキスタンを下し、全勝V。「みんなの夢」を背負って日常のギアを上げる
[8.11 Balcom BMW CUP第3節 U-17日本代表 3-1 ウズベキスタン代表U-17 サンフレッチェビレッジ広島第一球技場] 【動画】“韓国のメッシ”、別人すぎる現在の姿が話題に 「HiFA 平和祈念 2024 Balcom BMW CUP 広島国際ユースサッカー」は11日にサンフレッチェビレッジ広島第一球技場で最終節を行い、U-17日本代表が3-1でウズベキスタン代表U-17に勝利。3戦全勝で4連覇を達成した。なお、U-17日本代表主将のCB森壮一朗(名古屋U-18)が大会MVPに選出されている。 U-17日本代表は広島ユースを2-1、広島県高校選抜U-18を2-0で下し、ここまで2戦2勝。引き分け以上で自力優勝の決まるウズベキスタン戦は、GK萩裕陽(名古屋U-18)、右SB小澤有悟(磐田U-18)、CB森、CB秦樹(横浜FCユース)、左SB小浦拓実(福岡U-18)、アンカーが和田直哉(浦和ユース)、2シャドーが福田武玖(徳島ユース)と末宗寛士郎(岡山U-18)、右SH土居佑至(清水ユース)、左SH木村有磨(履正社高)、FW中積爲(G大阪ユース)の11人が先発した。 一方のウズベキスタンは広島県高校選抜との初戦を0-4で落としたものの、続く広島ユース戦を1-0で勝利。首位・U-17日本代表に点差をつけて勝てば逆転優勝の可能性もある一戦だった。 立ち上がり、そのウズベキスタンの出鼻を日本がくじく。3分、左の木村がドリブルで仕掛け、セカンドボールを回収した和田が右サイドへ展開する。そして、右SB小澤のクロスにニアで反応した中積が逆サイドのネットへ流し込む技ありヘッド。スタンド前のコーナー付近でチームメートたちとゴールセレブレーションを披露し、また観衆を沸かせた。 ウズベキスタンは競り合いで先に身体を当てて相手のバランスを崩そうとしてくるなど、日本が嫌がるようなプレー。ボールを奪うと一気に前へ出る迫力もあった。5分にはスピードのある右SHトゥルグノフ・オルジベクの縦突破からシュートシーンを作り出して見せる。 日本はこの日、これまでの4-2-3-1から4-1-4-1へシステムを変えたが、選手たちが柔軟に対応。ギャップを作らないようにポジショニングを意識し、スペースを上手く埋めながら守っていた。中でも、アンカーの和田が過去2試合同様に奪い返しで力を発揮し、福田、末宗がボールに係わる形で前進。そして、果敢な動きを見せる木村、土居の両翼のドリブルを交えてサイドの攻略を狙っていく。 相手のファウルも増えていたが、秦や小浦が負けずにバトル。小浦の左足ミドルなどで追加点を狙うと、24分には福田のインターセプトからこぼれ球を拾った中積が低くて速い左足シュートをゴール左へ突き刺した。 2-0とした日本は、26分にも中積とのワンツーから末宗がクロスバー直撃の右足シュート。そして28分、末宗の仕掛けから福田が右足を振り抜く。セカンドボールに福田が反応するとPAの中積が繋ぎ、最後は福田が2度の切り返しから対角の左足シュートを右隅に決め、3-0とした。 日本はミスもあったが、各選手がカバーしながら3点リードで前半を終了。後半は秦、和田、福田、土居、木村をCB咲本大(近大附高)、MF今井健人(東京Vユース)、MF山本天翔(G大阪ユース)、右SH佃颯太(横浜FCユース)、左SH杉浦誠黎(湘南U-18)と入れ替えた。 ウズベキスタンは後半8分、左CKをCBエルマノフ・ディヨルが頭で右隅に決めて2点差。日本は14分にも相手FWに背後を取られ、切り返しから決定的なシュートを打たれる。日本は今回の活動でFW、シャドーでも力を発揮した末宗が15分に決定機を創出。大石とのコンビでPAへ抜け出して右足シュートを放つ。 ただし、3点リードで後半を迎えたことも影響したか、試合運びの難しい40分間に。小澤、小浦の両SBも高い位置でプレーするなど相手を押し込み、初挑戦の右SHでアグレッシブな動きを続ける佃や今大会攻撃の柱として奮闘した大石、山本が決定的なシュートを打ち込む。だが、強引なプレーも増えてしまい、チャンスを活かすことができない。それでも、GK萩が相手との接触を怖れずに飛び出してゴールを死守し、咲本が対人守備の強さを発揮。なかなか突き放せない中、今井が気の利いた守りでボールを回収し続け、大会MVPに選出された森が的確なカバーリングで要所を封じていた。 31分にウズベキスタンFWが退場。日本は山本がボールを多く係わり、今大会大活躍の杉浦や大石、32分に末永と交代したMF長疾風(鹿島ユース)がDFを剥がしてゴールを奪いに行く。最後まで追加点を奪えなかったものの、主導権を握ったまま戦い続けて3-1で優勝を決めた。 試合後、日本は狙って取った4連覇を素直に喜んだ。10人を越える初招集組がいる中、各選手がどこかで自分の特長を発揮し、勝利に貢献。だが、まだまだ足りないことがあることは間違いない。朝岡隆蔵監督(ふたば未来学園高)は「ここでギア上げて自分を変えられないと。日常に埋没する子がいるから、それにならないようにしてもらいたい」と語る。3年後や5年後に代表チームに居続けられる選手はごくわずか。すでに上の世代の代表チームに加わっている選手や、9月の国際ユースin新潟で招集される選手、まだ発掘されていない才能ら同世代にも超えなければならないライバルは多いだけに、各選手は代表チームの基準を持ち帰り、自分のギアを上げる。 朝岡監督は解散時に今回の合宿で共有されていた「あなたは、みんなの夢です」というフレーズを改めて発信し、「厳しい世界で自分が名乗り上げられるようになって欲しい。この中で1人でも2人でも活躍してくれると嬉しいですね」。家族や指導者、サポーターにとって「夢」の存在は、自分たちの「夢」を叶えるためにも高い基準を持って日々を過ごす。