Amazon、楽天で中国製の「違法チャイルドシート」が販売中…国交省が危険視する「未認証商品」を買ってみた結果
■子どもの命を危険にさらす危険な商品 チャイルドシートはベビーカーやベビーベッドなどの「育児用品」ではなく国交省が型式指定(Eマーク認証)を行って流通する「自動車部品」である。 以下は当然だが、買ってはいけない製品である。安全基準を満たしておらず、日本での販売や使用が法的に認められていない。 ---------- ・ECE R44/04、ECE R129のいずれの認証も得ていない ・R44やR129のEマークを偽装している ・3歳&15kgから使用可能と書いてある背もたれなしのジュニアシート(ブースター)やベルト調整式ジュニアシート ※背もたれのないジュニアシートは身長125cm(7~8歳)を超えてからの使用が義務付けられている ---------- ■安全なチャイルドシートの見極め方 では、どのようなチャイルドシートを買えばいいのか? まず、最も重要なことはR44やR129の安全基準に適合しているということである。車種適合表などで自分の車に適合するかを確認し、子どもの体格(身長)に合ったものを選ぶ。 乳幼児兼用タイプなら身長76cmを超えるまでは後ろ向き使用がマスト。身長100cmくらいまでは幼児用を使用する。身長100~150cmまでは学童用を選ぶ。 なお、ECE R44/04は旧基準だが使用は当面、問題はない。ただし、チャイルドシートには5~10年の使用期間が定められているので、あまりに古いものは避けたほうが安全だろう。見た目は問題なくても樹脂部品が劣化している場合もあり、事故の衝撃を受けて子どもの体を守れないこともある。 ジュニアシート(学童用チャイルドシート)は、通販で販売されているものは今回紹介したようなEマーク偽造や安全性が確立されてない製品がかなり多いので、これから買うなら以下の条件を満たしたものをお勧めする。 ---------- ①現行の安全基準R129に適合 ②身長150cmまで背もたれアリで使える ③シートベルトではなく、ISO-FIX固定タイプ (ISO-FIX金具が車に装備されていない場合はベルト固定タイプを選ぶ) ---------- 年末年始は子どもを乗せて車で移動する機会も増える時期。身長150cmまでは安全性の高いチャイルドシートを使用してわが子をしっかりと守ってほしい。 ---------- 加藤 久美子(かとう・くみこ) 自動車生活ジャーナリスト 山口県下関市生まれ。大学時代は神奈川トヨタのディーラーで納車引き取りのバイトに明け暮れ、卒業後は日刊自動車新聞社に入社。95年よりフリー。2000年に自らの妊娠をきっかけに「妊婦のシートベルト着用を推進する会」を立ち上げ、この活動がきっかけで2008年11月「交通の方法に関する教則」(国家公安委員会告示)においてシートベルト教則が改訂された。育児雑誌や自動車メディア、TVのニュース番組などでチャイルドシートに関わる正しい情報を発信し続けている。「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難・詐欺・横領・交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。 ----------
自動車生活ジャーナリスト 加藤 久美子