マネタリーベース、12月は前年比1.0%減 4カ月連続マイナス
Tetsushi Kajimoto [東京 7日 ロイター] - 日本銀行(日銀)が7日に発表した昨年12月のマネタリーベースの平均残高は、前年比1.0%減の658兆5240億円だった。国債買い入れ減額方針の下、日銀当座預金は3カ月連続で減少し、マネタリーベース全体でも4カ月連続の前年比マイナスとなった。残高の水準も前月を下回った。 12月は2023年7月の1.3%減以来のマイナス幅となった。当座預金も23年7月以来の大幅な減少。 内訳は、日銀当預が1.2%減の531兆8108億円、そのうち準備預金は2.2%増の479兆0268億円。紙幣は0.6%減の 122兆0250億円、貨幣は1.4%減の4兆6882億円だった。 マネタリーベースは、市中に出回っている現金と金融機関が日銀に預けている当座預金の合計額で、日銀が供給する通貨を表す。 日銀は昨年7月の金融政策決定会合で、国債買い入れ額をそれまでの月6兆円程度から、2026年1─3月に同3兆円に減らす方針を決めた。原則として、4半期ごとに4000億円ずつ減額する予定。 日銀のバランスシートが、対名目国内総生産(GDP)比で120%あるのとは対照的に、欧州中央銀行(ECB)は保有資産をGDP比40%台に縮小し、米連邦準備理事会(FRB)や英中銀(BOE)も20%まで低下させている。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ債券ストラティジスト、六車治美氏は「今のペースで金融政策正常化を進めれば、10年近くかかるかもしれない」と指摘。国際金融規制により将来的に大手銀の準備需要が高まり、短期金利が上がる状況になるには少なくとも5年以上かかるのではと予想した。