阪神の株主総会での厳しい意見にトップが「17年ぶり優勝をあきらめていない」と回答…株主への約束を果たすことはできるのか?
タイガースの成績が不振時の株主総会は荒れる。その昔は、あまりにタイガース関連の質問が多く「いい加減、タイガースの話はやめてくれ」と他の株主からクレームが入るほど騒然となった総会もあった。 泥沼の9連敗で開幕ダッシュに失敗した阪神だが、交流戦は12勝6敗で2位に食い込み、最後はオリックスを3タテにしてリーグ4位に浮上して今回の株主総会を迎えた。最大「16」あった借金を「6」まで減らして逆襲の兆しを見せ、さらに新外国人として元オリックスのアデルリン・ロドリゲス内野手の獲得に動いていることも明らかになるなど、フロントが懸命の努力を示したためか、この後、タイガースについて質問した株主は一人だけ。矢野問題を突っ込んだ株主の質問も、それほど長いものではなく、結局、9人の質問者のうちタイガースに触れたのは2人だけで、“シャンシャン総会”に近い空気だった。 ちなみにもう1人が聞いたのは、「外国人選手、FAに頼る補強は反対。3軍制の導入は考えているのか」という質問で、回答したのは、阪神電鉄サイドトップの秦雅夫・副社長。 「同感。以前はドラフト上位の選手が育たなかったので、過度に外国人、FA選手に頼っていた。10年ほど前から中長期的な視点で取り組んできたスカウティングやコーチの改革がようやく実を結び、中堅選手らで補う形ができつつある。(3軍制は)検討課題であることは承知しているが、すぐに導入するという結論には至っていない」と、こちらも的を射た回答をしていた。 では、株主に約束した「阪神の逆襲」は可能なのか。 巨人、楽天、西武などで作戦参謀を務め、現在は新潟アルビレックスBCで監督を務める橋上秀樹氏は「十分に可能性がある」と主張する。 「投手力は、交流戦防御率1.96に象徴されるようにセ、パ合わせてナンバーワンではないか。青柳、西勇輝、ガンケル、ウィルカーソン、伊藤と確実にゲームを作れる先発が5人もいて、中継ぎも充実している。点の取れない打線が問題だったが、多少なりとも大山、佐藤が打てるようになってきた。大山は思い切りの良さをプラスに変えることができてきた。意思を貫いているのか、試行錯誤の末、強く打つという原点に戻ったように見える。投手がゲームを作るのでホームランは効果的。またベンチの様子を映像で見ていると、負けているときにバラバラだったチームに一体感が出てきた。7点差をひっくり返された開幕のヤクルト戦の逆バージョンとなった3日の日ハム戦の勝利が大きかったのではないか」 橋上氏が評価するのは、その安定した投手力と、6点差をひっくり返した3日のBIGBOSS日ハムとの一戦で生まれた一体感。交流戦の成績でいえば、青柳、西勇、ガンケルの3人が防御率0点台だ。打線が課題だったが、大山が7本塁打、21打点で交流戦で2冠。後ろに控える5番の大山のバットが止まらなくなったことで4番の佐藤も交流戦最終戦のオリックス戦では13号3ランを含む6打点と爆発した。 橋上氏は、さらに阪神にとって追い風があるという。