白井元調教師と学ぶ血統学【160】マイルCSに電撃参戦!英国馬チャリンの正体を徹底解剖
【白井元調教師と学ぶ血統学「温故知新」】 元JRA調教師の白井寿昭氏に指南役をお願いし、様々な角度から血統を考える連載の第160回。長い年月をかけたサンデーサイレンス編を終了し、新展開&モデルチェンジへの準備期間に入る。コラムスタイルの変化の前に今回はマイルCS、ジャパンカップの外国馬について、白井氏の見解を聞かせてもらった。メインは血統面だが、同氏によるレースチェックも必読案件だ。 進行は東スポ競馬・関西地区本紙担当であり、白井氏との親交も深い松浪大樹記者。今回も興味の尽きない血統論を堪能していただきたい。
目先を変えて現在をテーマに!
松浪大樹(東京スポーツ記者=以下、松浪)我々のライフワークも終了しましたし、今週からの数回は〝現在〟をテーマに話をしていきましょう。ちょうどいい題材がありますので。 白井寿昭氏(元JRA調教師=以下、白井)了解。力になれるかどうかはわからんけど、一緒に進めていこうか。で、今回のテーマは何? 松浪 先生もご存じでしょうが、今年のジャパンカップには久々に大物が来日する予定をしています。 白井 うん。聞いとるよ。オーギュストロダンやろ。ディープインパクト産駒の。 松浪 キングジョージ(6世&クイーンエリザベスS)を勝ったゴリアットも相当なものです。こちらが本丸の可能性まであると僕は思っているくらい。 白井 他にもいたな。確かドイツのGⅠを勝っとった…。 松浪 ファンタスティックムーンですね。独ダービー馬で前走は凱旋門賞に出走。9着でした。 白井 そうそう。そんな感じの馬。なるほどね。確かに面白そうな顔触れやわ。 松浪 で、これらの馬について、先生の見解を聞いていきたいと思うのですが、その前に今週のマイルチャンピオンシップにも素晴らしい外国馬が出走するので。 白井 それもなんか聞いたで。お金の勘定が上手そうな名前の馬やろ。 松浪 はい。チャリンです(笑い)。 白井 それや。チャリンチャリン(笑い)。 松浪 名前はかわいらしいですけど、その戦績は素晴らしいですよ。特に今年はめっちゃいい成績で、クイーンアンSにジャックルマロワ賞、クイーンエリザベス2世SのGⅠを3勝しています。 白井 数だけでないとこがすごいな。欧州の主要マイルGⅠばっか。 松浪 他にもムーランドロンシャン賞とロッキンジSで2着というのがあります。バリバリのトップマイラーですね。 白井 こんな馬がよく来てくれたもんやな。事情もあるやろうけど、JRAも大喜び(笑い)。 松浪 ラストランという話もありますからね。どこまで本気かという気もしますけど、物見遊山で来る理由もないわけで。 白井 そやな。日本で種牡馬入りするわけでもなさそうやし、顔見せしても意味ないな。