白井元調教師と学ぶ血統学【160】マイルCSに電撃参戦!英国馬チャリンの正体を徹底解剖
外国馬チャリンの血統を深掘り
松浪 多くの日本馬が海外に遠征していますけど、ウシュバテソーロのドバイワールドカップ(23年3月)が、日本馬による最後の海外GⅠ勝ちらしいですから。イクイノックスみたいな馬がいるわけでもないし、それならイケるんじゃないか。こんな感じに思われているのかもしれません。特にマイル路線は手薄ですし。 白井 なるほどな。で、これからレースを見せてくれるの? あんまり知らんのやけど。 松浪 もちろんです。でも、まずは血統からチェックしてもらって。 白井 了解。この馬の母系はデインヒルやな。このコディアックというのはそんなに知られた馬とちゃうよな? 松浪 はい。恥ずかしながら、僕は知りませんでした(笑い)。実際、GⅠどころかGⅢの2着がやっとこのハンデキャップホースだったようです。 白井 ということは、血統がいいわけやな? 松浪 そういうことですね。コディアックの半兄は先生からも名前をよく聞くインヴィンシブルスピリットです。 白井 なるほどね。これに父はダークエンジェル。かなりのスピード血統やな。わかりやすい掛け合わせ。 松浪 ダークエンジェルも現役時代は知る人ぞ知るというか…。僕は知りませんでしたけど(苦笑)。 白井 早いもん、引退が。そんなに走っとらんやろ? 松浪 デューハーストSで終わりじゃなかったかな? あ、やっぱりそうですね。2歳で引退しています。 白井 向こうは見切りが早いから。でも、種牡馬として成功しとるわけやし、そこは大したものというかね。 松浪 日本でダークエンジェルといえば、今年の高松宮記念を勝ったマッドクールが有名です。実際、あの馬の登場でダークエンジェルを知ったファンも多いと思いますし、イメージ的にはマイラーではなく、スプリンターのくくりですよね。 白井 これもそうちゃうの。デインヒルはもちろんやけど、マキャベリアンにストームバード。いろいろなところに速い馬がおるで。 松浪 確かに。これがレアなくらいで、本来はスプリンターになってしまいそうな…。少なくとも、日本の芝でもスピード負けはしなさそう速さを感じます。 白井 むしろ、スピードがあり過ぎるくらいちゃうかな。欧州特有の〝重たさ〟は感じないし、日本の芝でもどうもないと思うよ。