白井元調教師と学ぶ血統学【160】マイルCSに電撃参戦!英国馬チャリンの正体を徹底解剖
主導権を取れることは強い!
松浪 では、レースぶりを見てもらいましょうか。大事になってくるのはドーヴィルを走ったジャックルマロワ賞かな。それなりに速い時計で勝っているんので。 白井 なるほどね。ある程度の位置を取って。血統通りやな。スピードを感じる競馬をする。 松浪 脚質は結構大事な要素ですか? 白井 前に行けるというのはね。それだけで一つの魅力になる。スピードがないと前に行くこともできないわけやし、後ろからしか行けない馬は展開に左右されるからな。 松浪 それは外国馬だけでなく、全ての馬に言えることですね。 白井 やっぱりさ。必要な時に主導権を取れる。これは強いと思うよ。 松浪 走りそのものはどうですか? 白井 クイーンエリザベスはいかにも欧州っぽいというか、しぶとい感じのレースをしているけど、ジャックルマロワはスピードを生かして前に行って。こっちのほうちゃうかな。スピードの乗りも手応えもいいし。切れるわけでないけど、一定のスピードで走ってる。強いね。 松浪 直線が平坦の京都。走っても不思議はないと僕も思っているんです。 白井 実績もあるし、さっきも言ったけど、前に行けるから。チャンスあるんとちゃうか。 松浪 ちなみにマイルCSに外国馬が参戦するのは13年ぶりだそうですよ。 白井 さっき、松浪君も言ってたけど。最近は日本馬が海外のGⅠを勝ててない。こういうところをちゃんと相手は見とると思うよ。いまの日本馬ならイケるんちゃうか。こう思ってるわ(笑い)。 松浪 時代の変遷を感じますね。安田記念も外国馬(ロマンチックウォリアー)にやられちゃいましたし、今回も危ないかもしれませんよ(苦笑)。 ☆白井寿昭(しらい・としあき)1945年生まれ。広島県呉市に生まれ、大阪で育つ。68年に上田武司厩舎の厩務員となり、78年にJRA調教師免許を取得。79年に開業した。95年のオークスをサンデーサイレンス産駒のダンスパートナーで制してGⅠ初勝利。98年日本ダービーなど、GⅠ4勝を挙げたスペシャルウィーク、国内外でGⅠを6勝したアグネスデジタルなどの名馬を管理した。2015年、定年により調教師を引退。現在は競馬評論家として活動している。
松浪 大樹