偽1万円10枚渡す 容疑で石岡市消防本部総務課長逮捕 市長が陳謝 茨城【更新】
交流サイト(SNS)で知り合った女性に偽の1万円札10枚を渡したとして、茨城県警竜ケ崎署と県警捜査2課は4日までに、偽造通貨行使の疑いで、同県石岡市消防本部総務課長の同市、男(51)を逮捕し、水戸地検土浦支部に送致した。同課によると、「偽札を渡したことは間違いない」と容疑を認めている。 逮捕容疑は2023年7月中旬、同県龍ケ崎市内のホテルで、SNSで知り合った女性=当時(18)=に偽造した1万円札10枚を渡した疑い。 同課によると、女性が受け取った1万円札に透かしがないことに気づき、同26日に「偽札のようなものを渡された」と竜ケ崎署に相談し発覚した。同課は組織的に製造したような精巧さがないことから、男が個人で製造した可能性が高いとみて調べている。県警は男の自宅を家宅捜索し、パソコンやプリンターなどを押収したという。県警は今年11月26日に男を逮捕し、翌27日に送検した。 男の逮捕を受けて、石岡市の谷島洋司市長や消防幹部らが4日、同市石岡1丁目の市消防本部で会見。谷島市長は「市民の信頼を著しく失墜させたことを深くおわびする。現状を非常事態と捉え、綱紀粛正を徹底する」と陳謝した。 男は事件当時、石岡消防署の副署長を務めていた。24時間交代勤務で現場の対応に当たっていたという。現在は市消防本部総務課長で、不祥事防止対策委の委員として法令順守やハラスメント防止など、部下を指導する立場だった。人柄について、天野正道消防次長は「いたって真面目。仕事をそつなくこなすタイプ」と語った。 市消防本部は事実関係を確認し、処分を検討するとしている。
茨城新聞社