ガストで1990円のフレンチコース 外食業界で進む価格の「二極化」【WBS】
ファミリーレストランのガストが20日に発表したフレンチのコース料理。今、外食業界ではプチ贅沢やインバウンドの需要から高価格帯のメニューと節約志向に応えるための低価格メニューの提供の“二極化”が進んでいます。各社の戦略を取材しました。 20日にガストが発表した新メニュー「至福のフレンチコース」(1990円)。前菜からデザートまでフランス料理をコースで楽しむことができます。今回はミシュランガイドで星を獲得したフレンチシェフ進藤佳明氏が監修しました。 コースの最初に出てきたのが、アンディーブと呼ばれる野菜のサラダやホタテのバターソテーなど3種の前菜です。 「ホタテはレアの状態でしっとりとした焼き加減です。これは一つ一つ焼きあげているのですか?」(竹﨑由佳キャスター) 「各店舗でホタテはバターで焼き上げている。均一に同じ状態で各店舗で出すのはなかなか難しいところ」(「すかいらーくHD」ガストメニュー開発チームの内田道敬さん)
スタッフでもレアな状態に調理ができるよう工程を工夫したといいます。そしてメインディッシュはガストの主力メニューでもあるハンバーグです。 「ビーフのうまみとトリュフの香りが口に広がります」(竹﨑キャスター) ビーフ100%のハンバーグに赤ワインとトリュフを使ったペリグーソースがたっぷり使用されています。 「おすすめの食べ方は添えてある赤ワインに漬け込んだ卵を割って、下にあるマッシュポテトと一緒にあわせてたっぷりソースをつけて食べていただく」(内田さん) こだわりのフレンチコースの価格は1990円。1次加工を行うセントラルキッチンを活用することで、調理コストを抑えることが可能になったといいます。またハンバーグに添えられた卵は和食レストラン「夢庵」で提供されている温泉卵を使うなど、すかいらーくが運営する他のレストランの食材を活用し、この価格が実現。 しかし、ガストのメニューの中では最も高い商品となります。なぜ今、高額商品に力を入れるのでしょうか。 「レジャーを楽しみたい年末年始の『ハレ需要』において、楽しみたいという客に対して一つの体験を提供できる」(「すかいらーくHD」の平野曉執行役員) 今、外食ではプチぜいたくなどの需要から高価格帯の商品を開発する一方、物価高による節約需要で低価格商品も揃える二極化が進んでいます。ガストはフランス料理という特別な体験を提供することで、消費者のニーズを取り込みたい狙いです。