笹生優花、山下美夢有の練習ラウンドの様子はどう? 現地解説を務める諸見里しのぶに聞いた【パリ五輪・女子ゴルフ直前情報】
8月4日に幕を閉じたパリ五輪・男子ゴルフ。チームジャパンの大黒柱である松山英樹が銅メダルを獲得し、多くのゴルファーに感動を与えたのは記憶に新しい。そして、今日(8月7日)より女子ゴルフが4日間の日程で開幕する。日本からは今年の全米女子オープンを優勝した笹生優花、全米女子プロ2位の山下美夢有が出場。現地でテレビ解説を務める諸見里しのぶプロに、コースやチームジャパンのメンバーの様子などを聞いた。 山下美夢有の1W正面連続写真(撮影/大澤進二)
こんにちは。パリオリンピック、ゴルフの女子競技で解説を務める諸見里しのぶです。大会は今日から始まりますが、それに先立ち2日間、会場のル・ゴルフナショナルへ行ってきました。一昨日はチームジャパンの練習ラウンドに5ホールほどつかせていただき、昨日は実況アナウンサーの方と、男子競技の解説をされた佐藤信人プロにもいろいろと教えていただきながら、18ホールを一緒に歩いて回りました。 コースの難しさは、テレビで先週の男子競技を観ていた方ならすでに感じているかもしれません。実際にコースに立ってみると、池がらみのホールの迫力には、「圧倒される」という言葉がピッタリです。特に15番ホール以降の上がり4ホールは、視覚的なキツさに加えて風が吹き抜けるロケーションとなっています。かなりデリケートな風の読みが求められるでしょうし、ピンポジションによって難易度も大きく変わってきます。風景としては写真に収めたいほど綺麗なだけに、そのギャップが選手を余計に苦しめるのではないでしょうか。 そうした観点から私が注目したいのが16番のパー3です。ティーイングエリアが、男子競技から一段下がった前に出ていて、ティーイングエリアとグリーンとの風のジャッジが難しく、風が吹くとより池のプレッシャーが大きくなるでしょう。また、16番に限らず上がり4ホールは、距離感、打っていく球の高さといった技術が求められると思います。とはいえスタートして1番、2番ホールも池がらみです。スタートから4ホールを、いかにスコアを落とさずにスッと抜けていくかも重要なポイントだと感じました。選手たちがここで流れを作れるかどうかも注目して観戦してください。 男子競技から変わった点は、ラフが少し刈り取られて短くなったこと。ただし、芝は水分を含んで密集していることには変わりなく、必ずしも飛ばし屋が有利というものではありません。男子と違い18番がパー5となり、ロングホールが4つに。距離は499Y、466Y、478Y、447Yと比較的短く、距離的には2オンを狙えますが、グリーン周りが難しくなっています。それだけに選手がティーショットでどのクラブを握り、どう攻めていくかに注目していただきたいですし、選手の頭のなかを想像するのも面白いのではないでしょうか。 18番はメダルのかかった展開になることは間違いないですから、その状況いかんで2オン狙いもあれば、池の手前100Y以内にレイアップする選択もあるでしょう。どちらを選択するにしても、高い技術とマネジメント力に加え、強い信念と勇気が求められます。そこに池の迫力がプレッシャーとなって襲いかかってきます。最終ホールも見応えのある展開になりそうです。 さて、練習ラウンドにつかせていただいたチームジャパンの雰囲気です。笹生(優花)選手と山下(美夢有)選手は、プロ同期で同じ年。普段から仲の良い間柄とあって、また服部道子キャプテンの明るい性格もあって和やかな雰囲気です。 一方で、コースの隅々までチェックし、それぞれスウィングチェックをする真剣な表情からは「やってやるぞ!」の思いをヒシヒシと感じました。とてもメリハリのある練習ラウンドでしたが、そこには銅メダルを獲得した松山(英樹)選手の影響もあるようです。2人はその瞬間を現場で見たそうですが、松山選手を初めて間近で見たという山下選手は、「メダルを取りたいという想いが、プレーから強く感じられました。白熱したプレーに感動したし、自分もメダルを取りたいという思いが一層強くなりました」と語っています。また、2度目の出場となる笹生選手は、「4年に1回の特別な大会」という思いがより強くなったようです。そして試合後、松山選手からは「女子チームもメダルを獲得してほしい」とのエールを受けたそうです。 全米女子オープンを2回制覇した実績に加え、飛距離もさることながら高いボールでグリーンに止められる笹生選手の技術、グリーン周りの引き出しの多さは十分にメダル候補の一人に数えられることは間違いありません。また山下選手のショットの精度の高さと綿密なマネジメント力は、このコースでいかんなく威力を発揮するのではないでしょうか。何より「想像していた以上にコースが広く感じた」との発言には驚きと同時に、頼もしさを感じます。 自然体の2人だけに、今日からの4日間、十分に期待して、楽しみながら見ていただくとよいのではないかと思います。 ●チームジャパンの第1ラウンドスタート時間 日本時間18:44~/笹生優花 日本時間19:06~/山下美夢有 ●放送予定(8月7日13時現在) 8月7日/第1ラウンド ・NHK総合(録画/23:45~) ・NHK BSプレミアム4K(録画/23:45~) ・TVer(ライブ/15:50~) 8月8日/第2ラウンド ・NHK総合1(23:20~) ・NHK総合2(23:39~) ・NHK総合1(23:45~) ・TVer(ライブ/15:50~) 8月9日/第3ラウンド ・TVer(ライブ/15:50~) 8月10日/第4ラウンド ・TVer(ライブ/15:50~)
週刊GDツアー担当