ベテランシングルが考える「名門クラブの定義」。普通のゴルフ場とは何が違うのか?【参上! ゴルファー応援隊】
ゴルフの上達を目指すゴルファーにとって役立つ情報を発信する「みんゴル・ゴルファー応援隊」。その隊長に就任したシングルプレーヤー・マツケンが上達のヒントになることを紹介。今回は、「名門クラブについて」がテーマです。
元々は気心の知れた同好の仲間が集う場所
よく「名門クラブの定義」とか「何が違うの?」と聞かれることが多いので、改めて、ゴルフ場における名門、プライベートクラブ、といった事について考えていきたいと思います。 まず他のスポーツ施設では、高級かカジュアルか、という分類はされても、名門かどうか? という尺度で見ることはほとんど無いと思います。 クラブハウスが立派だったり、サービスのグレードが高く、プロトーナメントの舞台となっていたり、一流設計家による設計など、こうした要件だけでは、高級、良質、ではあっても「イコール名門」と呼ぶのは少し違う気がします。 そもそも名門という呼称は、家柄が良いとか、長い来歴があって、安定した評価を持つ団体や企業、スポーツチームなどに使われることが多いですよね。 自分自身が、コースを訪れた時、「ああ、やっぱり名門は違うな」と感じるのは、「挨拶」です。従業員はもちろん、すれ違う人すべてが挨拶してくれます。 育ちが良いとか、そういう面もあるかも知れませんが、名門クラブイコールプライベートクラブ。元々気心の知れた同好の仲間が集う場所です。 ゲストだけでプレーすることは許されず、メンバーが同伴することが求められます。そのため、コースにいる人は、そのクラブのメンバーか、そのメンバーが連れて来たゲスト。言わば全員が同好の仲間、という意識が感じられるのです。 たまに「こいつ誰だ?」みたいな顔されるときもありますが、メンバーの方からしてみれば、それだけ見知らぬ人などいない、という感覚なのだと思います。 家族でプレーを楽しんでいる方々も多く見かけます。それもお孫さんまでの3世代。メンバーと従業員も全員が顔見知り。大勢いるキャディーさんも、何度も付いて、メンバーのスウィングや、プレーのスタイルまで全て熟知してくれています。 さらに関心させられるのは、メンバーと従業員が対等に接していること。お互いにさん付けで呼び合い、メンバーは、仕事を頼む度にきちんと礼を言い、スタッフの苦労を労う。メンバーには社会的地位の高い方も相応におられると思いますが、クラブには、そうした地位や肩書は持ち込みません。 こういう光景は、正に名門クラブならでは。「高級」なだけの接待コースでは、こうはいきません。 ぽっと行ったビジターには、とてつもないアウェイ感がありますが、それを感じれば感じるほど、かえって長年培われてきた名門クラブの重みを実感させられるのです。 名門というと、マナーやエチケットにうるさく、堅苦しい場所、というイメージがあるかと思いますが、きちんと同伴メンバーについていけば、優しく受け入れてくれるはずです。 歴史と伝統に育まれた名門ならではの、クラブライフ。訪れる機会があれば、ぜひ味わって頂きたいと思います。
ゴルファー応援隊長・マツケン