「送還されたら死ぬまで刑務所」“強制送還”と“ヘイト”のはざまで暮らす家族 川口のクルド人のいま【報道特集】
チョーラクさん「ほら、立って。立って下さい」 クルド人男性「私たちも掃除しているんですよ…」 チョーラクさん「この缶は持って帰って下さいね。空なら私たちがもっていきますよ」 男性たちはちょっと不満げな様子でその場を後にした。見て回るのは繁華街だけではない。車で向かったのは、クルド人が多い地域のコンビニ。1つの場所は10分ほどで、次から次へと進むので私たちはついていくのに精一杯だ。ある店にたどり着くと、店の人からこんな相談を持ち掛けられていた。 コンビニの店員「昨日デカいトラックが駐車場に止まっていて。持ち主さんがどっかいっちゃって…」 チョーラクさんの仲間「その写真取ってメモして、今度うちきたとき…」 チョーラク「メモ見せればうちが全部話するので」 問題を起こしたクルド人を探しだして注意することもあり、見回り先でのトラブルは減っているという。チョーラクさんは夜の公園でもタバコの吸い殻や空き缶を拾いながら、こう語った。 チョーラクさん 「いつもやったときも『ありがとうございます』って日本人に言われる。『クルド真面目にやっている』と」 クルド人と市民との軋轢は以前からあったが、クローズアップされたのはここ数年のこと。クルド人のコミュニティが形成され、日本社会に溶け込まずとも一定程度生活できる環境ができたからだとみられている。この「見回り」は、日本人社会とクルド人コミュニティの溝を埋める役割を果たそうとしているが、その思いとは裏腹に、川口のクルド人の問題はいま過激なヘイト行動につながっている。
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