「送還されたら死ぬまで刑務所」“強制送還”と“ヘイト”のはざまで暮らす家族 川口のクルド人のいま【報道特集】
トルコでの迫害と日本でのヘイト。その間で怯えて暮らす妻が哀願するように語った。 妻 「12年間川口にいますが、ケンカしたこともないし、ルールを破ったことはありません。私たちは安全な日本が大好きで残るために頑張っています。在留資格を与えてくれたら、日本社会にも貢献できるはずです」 ■ゴミ捨て・騒音・暴走…クルド人と市民の軋轢 しかし、川口周辺のクルド人は、様々だ。クルド人が多い地域に住む奥富精一市議のもとにはゴミ捨てなどの苦情が寄せられてきたという。案内してもらった事務所近くの公園にはクルド人が使うトルコ語の看板がいくつもあった。「ごみ出しはルールを守って!」と書いてある。 奥富精一 川口市議 「ひどいときは白物家電が置いてあったりですね、引っ越し前、そのシーズンになると箪笥が置いてあったりとか、しょっちゅうです」 それだけではない。生活での騒音や乱暴な運転、それに集団での喧嘩などが問題になっているという。奥富市議は、一部の市民の声をこう代弁する。 奥富精一 川口市議 「一生懸命挨拶もきちんとできるとか、そういう子もいっぱいいるんですよ。だから一緒くたにクルド人全体が悪いという風には地域の人も思っていません。ただ、地域の不安が恐怖のレベルに達しています。そうなると『もう外国人はお断りだよ、結構だよ』というふうになっちゃうわけですよね」 ■地域の不安解消へ クルド人の「見回り」 チョーラクさんたちの団体は、そうした市民の不安を解消しようと10年ほどある活動に取り組んできた。初夏のある日の夜、集まったのは川口市内のトルコ料理店の前。ベストの背中には「防犯パトロール」と書いてある。 チョーラクさん 「きょうはパトロールします。ゴミ集めて、まわりみて問題あるかないか」 談笑はなし。体格が良い男性たちが黙々と街路のゴミを拾いつつ、クルド人の迷惑行為がないかに目を光らせる。 繁華街の店の軒先で雑談をしていた同胞に声をかけた。