“恐怖の1番”阪神・佐藤輝 初回いきなりフェンス直撃の二塁打「ランナーいないし自由に打てる」
紅組の「1番・三塁」佐藤輝が、いきなりバットでファンを沸かせた。初回だ。1―2からの4球目、津田が投じたフォークを捉えた。コンパクトなスイングではじき返した打球は、チーム初安打となる右翼フェンス直撃の二塁打となった。 「(1番打者は)ランナーもいないし自由に打てるので、新鮮な感じはしました。そういう(経験ができた)意味では良かった」 打順1番は公式戦で一度も務めたことはなかった。ただ、「打順立候補制」で自らトップバッターを希望して臨んだ今年2月11日の春季キャンプ紅白戦では2打数2安打。好相性の打順で快音を放つと、1死二塁から井坪の一打で生還し、藤川政権の初得点を記録した。その後は2打席連続で空振り三振だったが、“恐怖の1番”として存在感を発揮。その姿に、指揮官は投手心理を踏まえて起用した意図を説明した。 「(佐藤輝が1番に座るのは)相手(投手)は嫌でしょうね。何が課題とかは言わないですけど、1打席目にヒットが出た(のは良かった)」 課題の詳細こそ明かさなかったが、1打席目にカギが隠されているもよう。4年目の今季は先発時の打席別成績で1打席目は打率・282(103打数29安打)、出塁率・368と数字は悪くない。ちなみに2打席以上に立った117試合で1打席目に安打が出たのは29試合で、そのうち19試合でマルチ安打も記録している。佐藤輝の特徴を生かす上で、1番起用もプランの一つ。「(1番の)可能性もなくはないと思うので、何でも心構えはしておきたい」。本人も意欲十分だった。 (山本 浩之)