出口の見えない日大アメフット問題を米国ならどう対処した?
文部科学省は平成30年度をめどに日本版NCAA(仮称)を創設する方針を明らかにしている。日本版NCAAは、本家のNCAAのように、テレビ放映権や入場券販売によって資金を得て、大学のスポーツ活動に還元していくことをひとつの柱としている。 しかし、今回の日本大学の悪質タックルのような問題が起こったときに、日本版NCAAは、どのように対応するのかも準備を整えるべきだ。日本版NCAAが、大学スポーツの統括組織を名乗るならば、大学スポーツの理念をよく議論し、その理念を表すための規則を設けなければいけないだろう。 理念と規則によって、今回のような問題を防ぎ、そして、規則違反があったときに、誰が、何を、どこまで、どのように調査するのか、処分は誰が下すのかをあらかじめ決めておく必要がある。日本版NCAAは、学連や各大学と連携し、どのような役割を担うのか。日本版NCAAを創り、収益を上げることで大学スポーツの振興を図るのもよいが、それよりも大事なことを忘れてはならない。学生の人権、学ぶ権利、スポーツする権利もしっかりと守ってほしいのである。本格的な立ち上げを前に、今回の問題がおきたことを教訓として生かし再発を防止するべきだろう。 (文責・谷口輝世子/米国在住スポーツライター)