ミネラル不足になると基礎代謝が低下するってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
Q:ミネラル不足になると基礎代謝が低下するってホント?
前回の記事で久保木さんが教えてくれた通り、基礎代謝は3種類ある代謝の中でも60%を占めるといわれています。その代謝にもミネラルは多く使われています。そのため、ミネラルが不足すると基礎代謝も低下してしまうのだとか。さっそく、この疑問について薬剤師資格に加え、国際中医薬膳師の資格も保有するワイズ製薬の久保木彰一さんに聞いてみました。
A:ホント
「ミネラルは代謝の燃料となる成分なので、不足すると基礎代謝も低下してしまいます」(久保木彰一さん・以下「」内同)
代謝のメカニズム
「体内のミネラルが不足すると、すべての代謝がスムーズに行われなくなります。 代謝はAという物質がBになる、物質が変化することを指します。糖をエネルギーに変える合成も、アルコールを分解するのも代謝の一部なのです。合成も分解も物質が変化する点は同じなので、どちらも代謝。 代謝には酵素が必要ですが、酵素はタンパク質で構成されており、酵素にエネルギーを与えるのがミネラルの役割です。そのため、酵素を働かせる燃料であるミネラルが不足すると、分解や合成が行われないので代謝がスムーズにできない状態になってしまいます。 筋肉の収縮など生命活動で利用され、エネルギーの貯蔵や利用に関わる“ATP”という物質がありますが、“ATP”は簡単にいうと人が活動するエネルギーのこと。エネルギーであるATPを作る工程も代謝なので、ミネラルは人間が生きるうえで欠かせないものなのです」
ミネラルとは?
「人間の体を構成する4元素である酸素、炭素、水素、窒素以外のものの総称をミネラルといいます。ミネラルは無機質ともいい、代表的なものはカルシウム、カリウム、鉄、亜鉛など。 体内でさまざまなはたらきをするミネラルですが、体内で合成できないため、食物として摂る必要があります。 不足した場合は欠乏症やさまざまな不調が発生し、取り過ぎた場合にも過剰症や中毒を起こすこともあります」
汗をかくとミネラル不足になりやすい?
「はい。汗をかくと一緒にナトリウムやマグネシウム、カリウム、亜鉛などのミネラル類が失われると考えられています。汗がしょっぱかったり、ベタベタと感じることがありますが、これらは血液中に含まれるミネラルの排出が原因です。 体内のミネラル不足を放っておくと、倦怠感や頭痛、吐き気といった症状が出ることもありますので、汗をかいたあとはすみやかにミネラルを補給する必要があります。 夏バテの原因のひとつもミネラル不足によるものと考えられます。汗をかいた際に水分だけを大量に摂取すると、体内のミネラル濃度が低くなり、代謝がスムーズに行われなくなることも。汗をかいたあとは水分とともにミネラルも摂取しないと、逆効果になってしまうこともあるので注意しましょう」