え、そんなに?ネットで「見知らぬ異性」と交流する10代…親世代が絶句するリアルな比率とは
SNSやオンラインゲームを介して親密になり、ネッ友からリア友に発展するケースがほとんどであることがデータからもうかがえます。 一方、ちょっと気になるデータも掲載されています。実際に会った10代~20代の女性を対象とした調査によると、決して少なくない割合の子どもたちが性的被害にあっているのです。 「手を握られたり、体を触られたりした」が10.8%、「そういうつもりがなかったのに、性的関係になった」が2.9%、「性的被害にあった」が4.9%、「裸の写真を要求された」が3.9%に達しています。 こうしたリスクがある反面、彼女たちの危機意識は希薄です。同じく実際に会った10代女性のうちの44.4%は、「自分は人を判断できる自信があるので、会っても大丈夫だと思った」と回答し、5.6%は「自分に限って危険なことはないと思った」と答えています。 ● 「心から信頼できるネッ友」は ポジティブ面だけ見せている こうした調査結果を見て、「どこの馬の骨かも分からないネット上の人間を信じるなんて、どうかしている。ネット上の不完全なコミュニケーションだけで人を信用するなんて考えられない。デジタルネイティブ世代としか言いようがなく、まったくもって理解の範疇を超えている……」といった感想を持つのも分かります。
しかし、ほとんど何も知らないからこそ信頼できるという、摩訶不思議なことがありうるのです。 先述したように、信頼できるネッ友はどんな悩みでも打ち明けられる存在であり、しかも親身になって話を聞いてくれる友達です。特定のゲームが共通の趣味になっていて、時間を忘れて遊んだ日々という楽しい記憶もあります。ネッ友が信頼に足るだけのポジティブな部分は、これでもかと抽象化されているわけです。 心から信頼できるネッ友とは、信頼に足るだけの一面ばかりがピックアップされてできた集合体のような存在です。 その一方、生身の人間と人間が付き合えば、たとえ親友だとしても嫌なところの1つや2つは目に付くものです。全てにおいて気が合い、欠点が全く見当たらない友人を作れた方は稀でしょう。 しかし、ネッ友であれば、そんな完ぺきな友人を作れる可能性が随分と高まります。なにせ、そのネッ友のことについて、ほとんど何も知らないのです。 知っていることは、抽出されたポジティブな側面ばかりですから、嫌いになろうにもなりようがありません。知らぬが仏とでも言えばよいのでしょうか、実際に会ってコミュニケーションを重ねれば知れる苦手な部分を、一切見ずに済むわけです。 学校に居場所がなく、ネッ友と作ったサードプレイスが唯一の居場所になっているケースであれば、これらのことはなお一層、妥当することでしょう。
物江 潤