職場で旧姓を使い続けてもいいですか? プライベートな事情を知られたくないのですが……
女性のキャリアについての気になる悩みや疑問に、正社員で長く働きたい女性のための転職サイト『女の転職type』の編集長である小林佳代子が回答。今回は「職場での旧姓使用」について。 【グラフ:職場で性を変えて困ったこと1位は?】 (質問) 職場で旧姓を使い続けてもいいですか? 新姓は手間です。プライベートな事情もあまり知られたくありません。 (回答) 職場で旧姓を使用することは法律上可能ですが、職業上の制約や社内規定によって、使用できないこともあります。旧姓を使用する場合も、事務的な手続きが必要になることがありますので、まずは上司や人事部に相談してみましょう。 詳しくは以下で解説します。
◆職場で旧姓を使用することはできる?
職場で旧姓を使用し続けることは法律上可能です。『女の転職type』が会員向けに実施した調査では、60.3%の人が「職場で旧姓を使い続けることができる」と回答しています。一般財団法人労務行政研究所が2018年に民間企業440社を対象に実施した調査によれば、社員の旧姓使用を認めている企業は67.5%に達し、2001年の30.6%から2倍以上に増加しています。時代的な背景もあり、社内で旧姓を使用できる企業は増えてきていることが分かります。 このような流れはありますが、給与口座や社会保険などの諸手続きやシステムの都合などを理由に、社内規定として旧姓使用ができない企業もあるのが現状です。職場で旧姓を使用する際も、旧姓を使用するための手続きが必要になる場合がありますので、まずは人事に相談するようにしましょう。 もし旧姓を使用するのが「不可」という回答だった場合には、その理由を確認し、それが社内での古い慣習によるものなのであれば規定自体を見直してもらえるよう相談するのも1つの手です。
◆旧姓を使用するメリットとデメリット
「プライベートを知られたくない」と質問者からあったように、改姓には、わずらわしさや、不便さを伴うこともあります。女性を対象に「(職場で)姓を変えて困ったことは何か?」を聞いたところ、以下のような結果が得られました。長く働いている職場であればなおさら、名前と業務の結びつきが強くなるため、新姓に変わると不便に感じることが多くなるかもしれません。 旧姓を使用し続けることで、こうした問題を避けることができるだけでなく、中には仕事とプライベートの切り替えができるようになったという意見もありました。給与振り込み用の口座や戸籍上との名義が異なってしまうため事務作業上の手間は増えてしまうかもしれませんが、旧姓を選ぶメリットは十分にあることが予想できます。