貫いた「一球入魂」 八戸西・桐山「打撃で感謝示した」 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第3日の22日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われた。ともに初出場の21世紀枠同士の対決は、八戸西(青森)が3―8で具志川商(沖縄)に敗れた。 【具志川商×八戸西】21世紀枠対決を写真特集で 八戸西が「一球入魂」の一打で一矢を報いた。6点を追う七回、2死から四死球と内野安打で満塁とし、2番・桐山が左打席に向かった。「前の打者がつないでくれたチャンス。(走者を本塁に)還すのが自分の仕事」と意気に感じていた。5球目、狙っていた135キロの直球を右前にはじき返し、2者生還。春夏通じて初出場の甲子園で、見せ場を作った。 ◇テープで補修した硬球で 八戸西は昨秋、東北大会に初出場して8強入りした。原動力となったのは、出場32校でトップ10に入るチーム打率3割5分1厘のつなぐ打線。小川監督が教諭を務める八戸高等支援学校の生徒と交流を深め、選手たちは同校の生徒がビニールテープで補修した硬球を打ち続けることで培ってきた。小川監督は「だからこそ、選手たちはどのチームより『一球入魂』の意味を分かっている」と話す。 初の甲子園の舞台に思うように打線は振るわなかったが、初得点は支援学校の生徒への思いを込めた一打から生まれた。「打撃で感謝を示せた」と胸を張った桐山は、「打ち勝つチームとしてレベルアップし、また甲子園に戻ってきたい」。次なる感謝は、甲子園初勝利で示すつもりだ。【尾形有菜】