男性更年期「症状知らない」半数超 11月19日は「国際男性デー」
FNNプライムオンライン
19日は国際男性デー。 男性が心と体の健康に向き合う際に考えてほしいことがあります。 企業向けに男性更年期障害のサポートをする企業が、働く男性1000人を対象に男性更年期障害に関する意識調査を行ったところ、半数以上が「名前は知っているが詳しい症状は知らない」ことが分かりました。 街の人に「男性にも更年期障害があるのをご存じですか?」と聞くと、「聞いたことはあるけど、何だろうという感じ」「聞いたことはあるけど、ちょっと具体的にはどういったものか分からない。やっぱり更年期というと、女性の方が症状は現れやすいのかなと」などと答えました。 男性の更年期障害による経済損失は、年間1兆2000億円に上るともいわれていますが、「よく知らない」「分からない」という方が多いんです。 男性の場合はそもそもどういう仕組みで起こり、どのような症状が出るのか、日本初のメンズヘルス外来を立ち上げた順天堂大学大学院の堀江重郎教授は、「男性ホルモンと呼ばれるテストステロンが、何らかの理由で低下することによって、腰や首の痛み、急に汗が出る、火照る、動悸(どうき)がする、良い睡眠が取りにくい、男性機能の低下・性欲の低下、イライラする、不安になるなどの症状もある」と話します。 男性の場合、女性と違い年齢はあまり関係がなく、環境の変化が影響するといいます。 順天堂大学 大学院・堀江重郎教授: 新しい職場に行き、何らかの緊張感を伴うとか、仕事に対して十分な評価を得られない、そういう場合に男性ホルモンが減って、症状を起こしやすい。 意識調査によると、男性の更年期障害の自覚について、「何となくそうかもしれない」「可能性があると感じている」と答えた人が半数以上。 「現在、自覚はなく可能性も感じていない」が38.6%、「自覚がある」と答えた人は8.7%でした。 コンサルタント(70代): 65歳を超えてから、トイレに行く時間が多くなればなるほど、男性としての…「はい引退ですよ」と肩をたたかれる。 一方で、男性更年期にみられる17の症状を挙げ、当てはまるかどうかを尋ねたところ、7割以上の人は何かしらの症状を感じていると回答しました。 営業職(50代): 自分に当てはまるかは分からないが、ちょっと今までとは違う体の感じがある。体が火照ったり、首の後ろに異様に汗をかくとか。(Q.どこかに相談したりは?)特にはしていない。しょうがないかなと、もう若い時とは違うわけだから、向き合うしか。 放っておくと仕事の能率や生活の質が下がったり、別の病気のリスクが高まる可能性がありますが、更年期による体の不調があっても8割以上の人は、誰にも相談せず我慢してしまうそうです。 その背景には、男性の更年期について、職場での理解が足りていないことが影響しているのかもしれません。 そうした中、仕事の影響を懸念して対策に動き出しているところもあります。 鳥取県庁は、男女問わず更年期障害で実務困難な職員に対し、特別休暇を取得できるようにしたり、ホンダでは、医師を交えたセミナーを開催するなど、男性更年期障害への支援は広がりつつあります。 順天堂大学 大学院・堀江重郎教授: 男性更年期は予防もできますし、適切な治療でよくなります。仕事の能率も高まってきます。自分の中で抱えて、年のせいだと思わないで、いろいろ相談してもらえるとよいと思います。